ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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群馬県男子

2020年12月8日

男子は前橋育英が決勝の第4クォーターに一気に差を広げて、11年連続15回目の優勝でウインターカップ出場を決めた。

写真提供:群馬県バスケットボール協会

群馬県では他県と同様に5月の関東ブロック県予選と6月のインターハイ県予選の中止が4月中にアナウンスされた。その中で、7月から3年生の集大成の場としてU18特別リーグ戦を行い、徹底した感染予防対策の下、保護者観戦の中で各チーム3〜4試合の公式戦を行った。
また、インターハイ予選の代替大会(9月)を1次予選とし、8ブロックを勝ち上がったチーム(勢多農林、桐生工業、前橋工業、高崎健康福祉大学高崎、伊勢崎工業、館林、桐生、前橋)と、1月の県新人大会のベスト8チーム(前橋育英、太田、前橋商業、新島学園、樹徳、高崎商業、桐生第一、高崎)の合わせて16チームでウインターカップ2次県予選を開催。例年5日間で開催するところ、感染対策を徹底するために9日間と日程を増やして行った。また、新型コロナウィルスの第2波の影響から無観客での試合となったが、ベスト8決定戦の男女16試合のみ、録画での映像配信を実施している。

前橋育英のほか、決勝に進出した桐生第一をはじめ、樹徳、高崎商業がベスト4入り。1月の県新人大会ではともにベスト8だったが、桐生第一は太田を破った前橋に104-59で快勝し、高崎商業にも80-77で競り勝っての決勝進出。また、樹徳も新島学園を99-96、高崎商業も前橋商業を89-75で倒しての4強入りとなり、前橋育英以外の3チームは県新人大会と入れ替わった顔ぶれとなった。新人県大会決勝リーグで前橋育英を苦しめた(81-89)前橋商業はベスト8止まり。2位だった太田は初戦敗退。また、あらたに高崎健康福祉大学高崎と前橋が8強入りを果たした。

優勝した前橋育英は190センチ台が南征宏(2年、191センチ)の1人のみという昨年と比較して高さが少し劣るものの、圧倒的な力で予選突破を決めた。決勝の桐生第一戦ではなかなか勢いに乗れない中、第3クォーターまでシーソーゲームを強いられる展開に。桐生第一はゾーンディフェンスを駆使しながら自ペースで試合を進めていった。68-62で前橋育英が6点差で始まった第4クォーター、桐生第一は澤井裕輝のインサイドプレーや請舛楓の3ポイントシュート、前橋育英は茂木健太朗の連続ドライブで対抗。残り5分で76-75と差は僅かに1点だった。だが、ここから前橋育英は久岡賢太郎、森田翔伍、佐藤永遠の3ポイントシュートや飯塚和生のミドルシュートなどで一気に加点。5分間で23-6と桐生第一を圧倒した。
結局、最後は前橋育英が99-81で振り切ったが、接戦時にも慌てることなくボールを動かし、プレーヤーも動いてチーム力で制することができるところに今年の強さがある。試合“最後の5分間”に持てる力を最大限に発揮し、相手をねじ伏せた底力はウインターカップでも注目すべき点となるだろう。一方、惜しくも敗れた桐生第一は下級生中心のため、今後に期待したいところ。
「桐生第一のシュートも良く入り、相手ペースで試合が進んで先行された感じでした。長い時間、我慢している状態でしたが、第4クォーターに入って相手のシュートが落ち始めてきてようやくこちらがペースをつかめました。スタートの起用していた野村康太と鈴木力輝也はケガで出場できず、茂木も試合の2日前に練習に合流できたようなチーム状況でしたが、飯塚らが地味な部分で頑張ってくれたことが大きかったです。あとはディフェンスをメインに練習してきたことで、最後の最後に勝負ができたと思っています」と、前橋育英の加賀谷コーチは決勝を振り返った。

前橋育英の平均121点(118-35対伊勢崎工業、153-70対高崎健康福祉大学高崎、114-88対樹徳と決勝の4試合)を筆頭に、予選全15試合のうち4試合を除く11試合で、勝利チームが90点以上を挙げるという攻撃力の高さが顕著となった予選だった。

※文中の前橋と太田は県立と市立を区別(市立のみ併記)

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