「SoftBank ウインターカップ2020 令和 2 年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」(以下ウインターカップ2020) が12月23日に開幕した。

　9 チームが初出場の女子。そのうち、男子とともにアベック出場を果たしたのが山梨県代表の日本航空だ。武蔵野の森スポーツプラザに登場すると、一回戦では前回大会で 3 位、前々大会では準優勝の大阪薫英女学院 (近畿ブロック推薦 / 大阪) と対戦した。

県大会では接戦を勝ち上がってウインターカップの出場権を獲得した日本航空

　全国常連校の名門に挑んだ日本航空は、第 1 クォーターこそ小島れん、木村朱菜らのシュートで互角の展開に持ち込む。しかし、第 2 クォーターで強度の上がった相手ディフェンスに攻め手を失うと、スティールからの速い攻めでリズムをつかむ薫英の前に、このクォーターは 1-34。リードを広げられて前半を終えた (18-52)。

　後半こそ、得点を伸ばしたものの、薫英の前に一矢報いることはできず。最後は46-92で敗退した。

「見てる以上にやっている方がタフなぶつかり合いで、準備してきたことが出し切れなかったです」と蒲生壮扶コーチ。同様にキャプテンの木村も「何度も相手の試合を見て研究をしましたが、やっぱり動画では分からない強さというのがありました」と試合を振り返った。

　蒲生コーチが就任して 4 年目で初めて出場した冬の全国大会。「学校の中で全国に出場してないクラブが女子バスケット部だけだったので、着任以来、何とか歴史を変えたいと思ってきました。私がリクルートした最初の代なので、ここで歴史を変えてくれたことは良かったと思います」と語る。

　木村は、「たくさん応援をしてもらったので、それに応えないとという思いで県大会は戦いました。今日までたくさんの方がのおかげで試合ができ、今試合ができることも決して当たり前ではないので、自分たちのやってきことを出し切ろうという強い気持ちがありました」とウインターカップへの思いを語った。

　点差こそ開いたものの、「(試合の中で) ネガティブになった時もあったけれど、ベンチのメンバーが最後まであきらめるなと伝えてくれて。強い気持ちで戦うことができたと思います」と胸を張った木村。加えて、「新しい記録を作ったのは自分たちですが、県大会優勝で終わるのではなく、全国で戦えるチームになろうとはみんなで言っていました。相手が近畿チャンピオンということでいつかは戦うような相手と初戦から試合することができました。(敗れたため) この思いは来年以降に託したいです」と力を込めた。

　全国大会という新たな一歩を踏み出した日本航空。収穫も課題もたくさん得たこの一試合がチームにとって貴重な経験となり、これからの財産となる。

11得点 5 リバウンドをマークした日本航空の木村朱菜