北海道女子
2020年12月25日
昨年のウインターカップ終了後、新チームで臨んだ今年2月の北海道新人大会を制したのは札幌山の手だった。37回の出場回数を誇り、2010、11年と連覇を果たしている札幌山の手は、ウインターカップの舞台を経験した下級生も多く、盤石の強さを見せて新年度のスタートを切った。
準優勝となったのは、「全道優勝・全国勝利・打倒山の手」を目標に掲げる帯広南商。その目標を叶えるべく決勝に臨んだものの、55‐105であえなく敗退。
また、昨年、ウインターカップ初出場を飾った酪農学園大学附属とわの森三愛は準決勝まで進出したものの、ここで札幌山の手に行く手を阻まれた。
そして、タイトルにこそ届かなかったものの、新年度に勢いをつけるべく挑んだ3位決定戦では、北星学園女子が酪農学園大学附属とわの森三愛を破った。
それから間もなく、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、北海道が独自の緊急事態宣言を発令したのは2月28日。政府が埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、及び福岡県の7都府県に緊急事態宣言を発令したのは4月7日だが、それより1か月以上も早く北海道が危機的な状況に見舞われていたことがわかる。
その後、4月26日には全国高等学校体育連盟が、8月に石川県金沢市で開催予定だったインターハイを中止すると発表。これを機に、新人大会で3位となった北星学園女子は、8人いた3年生のうち5人の部員が受験勉強に専念するため部活動から引退した。だが、全国の舞台を踏むことなく引退していった仲間の思いを背負ったことは、残された部員の結束を固めるきっかけともなった。
新型コロナウイルスは収束の兆しを見せず、10月28日には道の警戒レベルがステージ2へと引き上げられた中、11月13日から15日に開催された北海道予選は、チーム応援の入場も許されない無観客での開催となった。
26チームによるトーナメント戦は、札幌山の手、札幌東商、北星学園女子、帯広大谷が4強進出。酪農学園大学附属とわの森三愛は、新人大会準優勝の帯広南商との1回戦で敗れ、ウインターカップ連続出場の夢は断たれた。
4強によるリーグ戦は、札幌山の手が盤石のプレーで3戦全勝を飾り、2年連続38回目のウインターカップ出場を決めた。1年生エースでポイントガードの森岡ほのかはどこからでも得点ができるオールラウンダー。その森岡の姉である森岡かりんは速攻やカッティングで流れを作り、大事なところで3ポイントシュートを決める勝負強さを持っている。チームとしては、ボールとゴールに対する執着心の強さやトランジションの速さが特徴だ。
その札幌山の手には敗れたものの、2勝を挙げた北星学園女子が2位となり、1940年の創部以来、80年目にして待望のウインターカップ初出場を決めた。速い展開のオフェンスを特徴とする北星学園女子の中心となるのは、キャプテンでエースの金子紗里だ。精神的にも技術的にも安定したプレーを見せるのに加え、周りの選手を生かすこともできる、チームにとっては欠かせない存在となっている。
札幌山の手を率いるのは、指導歴54年の大ベテラン上島正光コーチ。一方、北星学園女子を率いるのは指導歴8年の若い佐藤文哉コーチ。対照的な両校は、男子の駒澤大学附属苫小牧、北海道栄と同様、トーナメント表の左右異なるブロックからのチャレンジとなる。