ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

山口県男子

2020年12月4日

新型コロナウィルスの影響でインターハイが中止になった今年度、山口県は代替の大会として「メモリアルカップ」と称した大会をおこなった。男子の部は準決勝で、6年連続でウインターカップに出場している豊浦を破った山口が、決勝戦も制して優勝している。しかしウインターカップ山口県予選は、豊浦が決勝戦で山口を破って優勝。7年連続15回目のウインターカップ出場を決めている。チームを率いる枝折康孝コーチはその勝因を「総合力」と語る。今年は上記のとおりインターハイがなく、高い経験を積むことができなかった。実力のある下級生もいるのだが、最後は最上級生である3年生の経験と、彼らの勝ちたい思いに賭け、3年生もまたそれに応えたというわけである。

写真提供:山口県高校体育連盟バスケットボール専門部

山口県もまた他の都道府県と同様に約2ヶ月の休校を余儀なくされ、練習もままならなかったようだ。大会も春先からはほとんどが中止に至っている。そのなかで豊浦は夏のメモリアルカップまで、どちらかといえば個の力を伸ばしていた。しかし同大会の敗北で個の力だけでは勝てないと、コーチだけでなく、選手たちも気づいたことで、冬に向けてチーム力の向上に力を注いだ。キーワードは「人を認める」。他人を認めることで、攻守においてチームの連動性を高めた結果、ウインターカップの出場権を得ることができたのである。

10月には、長年山口県の高校バスケットボールの育成に貢献してきた枝折コーチの父・幸正氏が逝去されている。それもまた枝折コーチをはじめ、豊浦に見えざる力を与えたのかもしれない。
もちろん見えざる力だけではない。コロナ禍の難しい舵取りが求められる中、ウインターカップ山口県予選では選手、マネージャーそれぞれ1名につき、家族2名までの観戦・応援を認めている。家族の声援もまた出場全校の選手にとって、日頃の練習以上の力を出す後押しになったのだろう。

近年の山口県勢は男女ともにウインターカップではベスト8以上に食い込んでいない。前回大会で豊浦が3回戦(ベスト16)まで勝ち上がっているが、ベスト8以上のチームが立てるメインコートを目前に力尽きている。今大会の目指すところはもちろん、昨年叶わなかったメインコートに立つことだろう。けっして簡単な戦いではない。しかし人を認める総合力と、家族の後押し、天国からの後押しで目標を達成してもらいたい。

写真提供:山口県高校体育連盟バスケットボール専門部

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