今年のウインターカップに、熊本県からは男子が九州学院、女子は熊本国府が出場する。
九州学院は今年で5年連続13回目の出場となる熊本県の強豪校だ。ウインターカップ予選ではすべての試合で100点以上を記録し、他校を圧倒して優勝。近年では全国大会出場常連校となり、全国でのベスト16入りを何度も果たしている。熊本県内だけでなく関東や中部地方からバスケ留学で来た生徒もおり、継続的に全国で戦えるチーム作りを行っている学校だ。今年は3年生だけでなく、能力がある下級生も多いためチームとしての成長も期待されている。

熊本県では九州学院が常勝チームとして君臨し、熊本工業などを含めたベスト4争いも毎年注目されている。また、全国から生徒を集める九州学院と、熊本県内の生徒を集めて『打倒九州学院』で戦う県内の争いも興味深い。今年のウインターカップ予選では決勝に進出した熊本工業は足を動かして守る全員バスケを行い、アーリーオフェンスを遂行することで、一時は1ケタ差まで九州学院を追い込んだ。他にもベスト4入りした東海星翔、第二はともに1、2年生中心の新チームで、この経験を基に新人戦での優勝を目指して練習に励んでいる。
熊本県にとって、Bリーグの熊本ヴォルターズの存在も大きい。昨年のウインターカップ予選の準決勝、決勝はヴォルターズのホームアリーナで開催するなど熊本県バスケットボール協会とも良好な関係性を築きながら県内のバスケットを盛り上げるべく活動している。九州学院の生徒が大学卒業後にヴォルターズの選手として熊本に戻って来ることもあり、熊本県バスケットボール協会としても1人でも多くの選手が長くバスケットを続けられる環境を整えていくことを目指している。

また、今年の7月には九州豪雨被害にあった芦北のバスケット部員がシューズなどの練習用具が使えなくなってしまい、用具調達のためにヴォルターズに相談したところ快くシューズを提供してくれ、ウインターカップ予選に出場することができたと、熊本県高体連の担当者が明かしてくれた。

九州では福岡第一や福岡大学附属大濠を擁する福岡県が強いが、熊本県もバスケットボール人口は多く、今はミニバスから中学、そして高校と系統的な強化を図ることが課題となっている。
九州学院は昨年のウインターカップの3回戦で福岡第一と対戦し敗れている。今年は初戦で秋田県の古豪、能代工業と対戦するがウインターカップ予選で見せた激しいディフェンスからの速攻や緻密なセットオフェンスでどんな戦いを繰り広げるのか楽しみだ。