ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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宮城県女子

2020年12月8日

宮城県女子は、昨年全国不出場の憂き目を見た聖和学園が、ライバルの仙台大学附属明成を下して 2 年ぶり33回目のウインターカップ出場を果たした。

男子同様、県内で行われる今年度初めての大会が8月中旬のウインターカップ県予選 一次大会となった。シード校を除いた53チームが出場し、塩釜、仙台南、柴田、石巻、白石、聖ウルスラ学院英智、富谷、仙台商業の8チームが10月中旬のウインターカップ県予選 本大会につなげた。

その本大会は、一次大会を勝ち上がった8チームとシードの8チーム、計16チームのトーナメント方式。ベスト4は聖和学園(県新人大会1位)、仙台大学附属明成(同2位)という“2強”に加えて、尚絅学院(同4位)、そして県新人大会3位の東北を91-89で破った名取北(同ベスト8)という顔ぶれになった。
準決勝では、聖和学園が尚絅学院を84-57、仙台大学附属明成が名取北を99-48で下し、決勝は前評判どおり聖和学園と仙台大学附属明成の対決に。両チームは地区大会からしのぎを削っているライバル同士。昨年はインターハイ予選、ウインターカップ予選ともに仙台大学附属明成に軍配が上がったが、今年1月に行われた県新人大会では聖和学園が72-69で勝利しており、勝負の行方は全く分からなかった。

決勝戦、まず流れをつかんだのは仙台大学附属明成だ。キャプテン・加藤瑞紀が3ポイントシュートとドライブで連続得点。さらに堅いディフェンスで聖和学園のミスを誘い、速攻に走ってリードを奪った。だが、対する聖和学園も高さを生かしてリバウンドを抑え、ブロックショットなどで対抗。結局2点差に迫って1クォーターを終えると、2クォーターには菊地ひかりの3ポイントシュートや速攻などで逆転に成功した。ディフェンスでもこのクォーターの失点を僅か6点に抑え、前半を終えて7点リード。その後も聖和学園が10点前後のリードを保ったまま試合は進み、51-40で最終クォーターに突入した。
後がない仙台大学附属明成は、決死のディフェンスを仕掛けて猛追。アグレッシブにゴールに向かい、残り4分には5点差まで追い上げて試合を分からなくする。ただ、この勝負どころで踏ん張りを見せたのが、聖和学園の3年生たち。PGの丸山輝瑠を起点に小島鈴らが得点するなどして再びリズムを立て直し、ディフェンスも引き締めて65-58で逃げ切り勝利となった。

互いの意地と意地とがぶつかる白熱のゲームとなったが、僅かに上回ったのは聖和学園だった。チームの得点面を引っ張ったのが、26得点を挙げた2年生の菊地。小野裕コーチが「スピードがあり、なおかつ3ポイントも正確、1対1で得点できる選手」と評するスコアラーで、新人大会の頃はシックススマンだったが、持ち前の得点力を伸ばして台頭してきた。昨年は全国大会不出場のため、来るウインターカップが2年生の菊地にとっては高校初めての全国の舞台。のびのびとしたプレーを見せたいところだ。また、聖和学園の縁の下の力持ちとして支えるのが、3年生の小島(171cm)と中野麗(173cm)。オールラウンドにプレーできるが主に体を張ってインサイドで存在感を放つ選手たちであり、小野コーチも「この二人がリバウンドで頑張れるかがカギ」と期待を寄せている。全国の舞台では県内ではあまり見ない自分たちよりサイズのあるチームを相手にする可能性も高く、より一層、献身的な働きが求められるだろう。

ウインターカップは2年ぶりの出場となるが、前回の2018年大会は絶対的エースの今野紀花(現ルイビル大)を軸に3回戦まで勝ち上がった。日の目を見なかった昨年の悔しさをぶつけ、大舞台で“先輩超え”なるか注目したい。

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