ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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福島県男子

2020年12月8日

福島県男子は、福島東稜が同地区のライバル・福島南を下して2年連続3回目のウインターカップ出場権を手にした。

写真提供:福島県バスケットボール協会

新型コロナウイルスの影響により、今年度は6月中旬まで県内のほとんどの学校が部活動を自粛。各大会も中止が続き、公式戦の再開は8月下旬から9月中旬にかけてのウインターカップ地区予選となった。その地区予選を勝ち抜いた32チームにより、ウインターカップ県予選は10月24日からスタート。今年は宿泊を伴わない大会開催となり、2週間にわたって無観客で開催された。

ベスト4に勝ち上がったのは、福島東稜、開志学園A&D、若松商業、福島南という顔ぶれ。準決勝では、まず福島東稜と開志学園A&Dが対戦。県新人大会では39点差で敗れた開志学園A&Dだが、今回は後半に怒涛の追い上げを見せて85-90と肉薄した。開志学園A&Dは、B.LEAGUEの福島ファイヤーボンズ監修のもと、2018年4月に創設されたFSG高等部アスリートコースの男子バスケットボール部(高体連登録名:開志学園A&D)。創設3年目の今年、3位という結果でウインターカップにはあと一歩及ばなかったものの、大会に大きな爪痕を残した。
もう一つの準決勝では、福島南が若松商業に87-60で快勝。福島南は堅いディフェンスで前半18点リードを奪い、その後も試合を優位に進めた。ただ、敗れた若松商業も2回戦で郡山北工業を1点差で破り、3回戦では帝京安積を後半巻き返して逆転勝利での準決勝進出だった。最後は強敵に敗れたが、選手各々、貴重な経験を積んだと言えるだろう。

こうして決勝戦は前評判どおり、県新人大会1位の福島東稜と、同2位の福島南による対決となった。県新人大会では102-71で福島東稜が勝利しているこのカード。この試合でも、序盤から主導権を握ったのは福島東稜だった。194cmのモーヌ チソン フランクリンを起点に、内外角バランス良く得点を重ねていき、守っては巧みなゾーンディフェンスで相手の思うように攻めさせない。50-30と大量リードを奪って試合を折り返すと、後半も福島南の反撃を許さず、4クォーター残り1秒には鮮やかなコンビネーションでタップシュートに成功。100点台の大台に乗せてベンチも大いに沸く中、100-56で試合終了となった。

2年連続の優勝となった福島東稜。38得点を稼いだフランクリンを軸に、外からは福地真央、野内拓実という2人の3ポイントシューターがネットを揺らした。また、キャプテンでありクレバーな司令塔である佐藤敢太が常に声を出して仲間とコミュニケーションを取り、変化に富んだディフェンスで大きく崩れることがなかったのも盤石の強さの要因と言えるだろう。ベンチの層も厚く、ディフェンスから速攻に走るトランジションゲームから、セットプレーを使った堅実なハーフコートゲームまで、多彩なスタイルで相手チームに対応できるのが今年の強み。今年度は1月のニューイヤーカップで報徳学園に76-89、2月の東北ブロック新人大会で仙台大学附属明成に68-77と、強敵相手に好ゲームを繰り広げてきた。そのとき「いい勝負はしても、勝負が懸かるところで最後の詰めの甘さが出てしまいます」と小田島誠コーチは課題を述べていたが、勝負どころで本来の力を発揮できれば、大物食いも大いに有り得るだろう。

来たるウインターカップに向けて、目標は「ベスト4に進出し、センターコートに立つこと」と決意を語る佐藤。福島東稜はインターハイに過去4回、ウインターカップに過去2回出場しているが、2回戦進出がこれまでの最高成績で、あと一歩のところでベスト16以上の進出を逃している。過去の先輩たちを越え、そのまま目標のベスト4まで駆け上がれるか、注目したい。

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