鹿児島県女子
2020年12月11日
今年のウインターカップに、鹿児島県から男子は鹿児島工業、女子は鹿児島女子と、どちらも公立高が出場する。
鹿児島女子は2年連続26回目のウインターカップ出場を果たす伝統校だ。ウインターカップ予選では下馬評通り、第1シードの鹿児島女子と第2シードのれいめいが決勝で激突。前半は接戦となったが、終盤では地力に勝る鹿児島女子が抜け出し勝利を収めた。
写真提供:鹿児島県バスケットボール協会
鹿児島県の高校女子バスケで言うと、ここ10年間は鹿児島女子と鹿児島純心女子の2校がウインターカップ出場を果たしている。以前は鹿児島と鹿児島純心女子が強い時期が続いたが、鹿児島が徐々に衰退し、そこに鹿児島女子が復活して、今の構図ができあがった。また、最近では昨年の鹿児島インターハイに出場したれいめいも上位争いに絡んできている。そのれいめいは中高一貫校で、中学女子は昨年の九州大会で準優勝、そして全中でベスト8入りを果たすなど、強化が結果に繋がっている。れいめい中の女子バスケ部は創部して10年もたたないが、中学生のうちから強化を図り、そのまま内部進学して高校でも強豪校の仲間入りを果たしている。
今年は3月に開催予定だった九州大会が中止になり、他にも県大会の2つが中止を余儀なくされた。それでも自粛期間明けはいろいろな制約がある中で、それぞれが部活動を再開。そして例年のように遠征などができない中でウインターカップ予選を迎えた。手探り状態の中、感染対策を行いながらの大会運営はどの地域でも大変だっただろうが、鹿児島県は特に離島を擁する県だ。移動などを含め、本土のチームよりも厳しい面もあったが、奄美大島の大島はウインターカップ予選で3位になり、男子もベスト8に進出する大健闘を見せた。
鹿児島県バスケットボール協会の担当者は、大島が強い理由に奄美大島のバスケ事情が関係すると話す。奄美大島はかねてよりミニバス、中学バスケともに盛んで、地域柄なのか身体能力が高い選手も全体数に対しては多いと言う。また、バスケットウェアなどを作成する企業が奄美大島にあり、その企業が積極的に選手育成に携わり『離島から全国大会へ』という雰囲気を作り出していることも大きい。男子の優秀な生徒は本土の高校に進学することが多いが、女子は地元に残る生徒が多いため、大島は県内で上位に食い込むことが多く、過去にはインターハイに出場した経験もある。
話を鹿児島女子に戻すと、サイズはないが速い展開のバスケットを持ち味としているチーム。一人ひとりがオールラウンドにプレーすることができ、サイズがない部分を全員の走力でカバーしている。昨年のウインターカップでは初戦敗退。今年は千葉県の強豪、昭和学院と初戦で対戦するが、全員バスケで昨年の結果を上回ることができるかに期待したい。
写真提供:鹿児島県バスケットボール協会