高知県男子
2020年12月16日
高知県男子は予選決勝で明徳義塾を87-71で破った高知中央がウインターカップに出場する。
現在の高知県は参加チームや選手数が減少する中で、留学生を擁する私立校が優勢となり、高知中央と明徳義塾の『2強』状態が続いている。それでも、ベスト4入りした追手前や高知商業など、各チームのレベルも確実に向上しており、関係者は「県立高校の活躍にも注目していきたい」と、期待を寄せている。
写真提供:高知県バスケットボール協会
ウインターカップ予選では高知中央に屈したが、明徳義塾もモンゴルからの留学生を擁している。さらにもう一人の留学生も加入する予定だったが、コロナ禍の影響で間に合わなかったことも響いた。次の大会からはエントリーできるとのことで、しばらく『2強』が続くだろう。
前述のように高知県は生徒数が減少しており、高知中央も以前は廃校が検討されたこともある。そうした状況で、2017年にナイジェリアからの留学生を招いた。部活動が強いというブランドを確立できれば、県内はもとより県外の生徒獲得にも繋がる。
関係者は県外へ選手が流出する事情も踏まえ、実情をこのように語った。「県内の良い選手が隣の県に行くこともありますが、私立も同じように県外の選手を獲得しています。留学生がいるから全国大会に出場できるという考え方もあるだろうし、強い学校を倒したいからその他の学校を選ぶ、両方ともあると思います。実際、学校側も留学生がいて全国大会に出れることを売りに勧誘しているとこもあるかと思います。魅力があるから行くのであって、キャリアを考えた選手の意思を尊重するべきかと。県内に来た生徒も、出ていった選手も高知県の人間という意識でいます」
注目の選手は留学生のジョベ・ムハマドだ。新型コロナウイルスの影響で入国が遅れ、10月末にようやく加入した1年生だが、リバウンドを含めたインサイドでの存在感は絶大で、ドリブルから切り込むスキルも持ち合わせている。昨年のウインターカップを経験している2年生のンジェ・ンバ・ババカもいて、インサイドの層は厚い。入国が遅れたことでチームとの連携にさらなる向上の余地があることは、高知中央にとってむしろ追い風となるかもしれない。
また、全国的に珍しい下野雅斗、佐藤星来のダブルキャプテン制度を採用していることも見逃せない。下野が「一人が気づかなかったことをもう一人が指摘することで、よりチームを仕上げていける」と語ったように、抵抗もなく機能しているようだ。
ウインターカップは5年連続6回目の出場となるが、2017年は飛龍に、2018年は桜ケ丘に2回戦で敗れて、昨年のウインターカップでは前半で得た18点のリードを守り切れず、延岡学園に逆転負けを喫して1回戦敗退となった。
今大会の1回戦の相手は埼玉の名門、正智深谷。ダブルキャプテン効果で接戦の脆さを克服し、ここ3年を上回る3回戦進出を目指したいところだ。
写真提供:高知県バスケットボール協会