ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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埼玉県男子

2020年12月22日

ウインターカップ予選を9月5日から9月27日にかけて開催した埼玉県。例年、県予選は16チームで開催するところを今年は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、『少しでも多くのチームに参加してもらいたい』という思いから出場枠を拡大。48チームがたった1つの出場権を懸けてし烈なトーナメントを戦った。

男子代表として出場権を獲得したのは正智深谷だ。近年、埼玉男子勢をけん引する存在へと成長したチームは今回で9年連続10回目の冬に挑むこととなる。1回戦でシード権を得ていた正智深谷は2回戦から登場。十八番である攻撃的なディフェンスからのアーリーオフェンスを武器に2回戦の川口青陵戦(133-34)、3回戦の松山戦(111-64)、準々決勝の庄和戦(103-62)、そして準決勝の春日部戦(108-63)と100点ゲームを連発し、危なげなく決勝戦まで勝ち上がった。準決勝で正智深谷に敗れた春日部は昨年のウインターカップ予選へは出場していないことを考えると大きくジャンプアップしたと言っていいだろう。

逆の山には昨年のファイナリストである埼玉栄を筆頭に白岡、西武文理ら力のあるチームがしのぎを削った。激戦を勝ち上がったのは西武文理。新チームの初陣となった1月の埼玉県新人大会ではbブロック決勝で昌平に6点差で惜敗し、全体5位。あと一歩のところで決勝リーグに進むことはかなわなかった。
しかし、今回の県予選では準々決勝で再び昌平と激突すると新人戦の反省を生かした戦いぶりで今度は20点の大差(91-71)を付けて快勝。準決勝でも昨年の冬に1回戦で敗れている埼玉栄に対して第4クォーターに11点差をひっくり返し、またしてもリベンジを果たした。そして決勝。西武文理にとって、正智深谷との対戦は過去5年のウインターカップ予選で3度目。2016年の県予選決勝では94-91と好勝負を演じたが、それ以降の2戦はいずれもダブルスコアに近い差を付けられて大敗していただけに、今大会の勢いもプラスして勝利をさらいたい一戦となった。

圧倒的な得点力を誇る絶対王者の正智深谷とサイズを武器にロースコアな展開に持ち込みたい西武文理の試合は、試合序盤から正智深谷が大きく前へ出る。
リバウンドを奪ってから持ち味のトランジションがさく裂すると、その勢いに続くように3ポイントシュートにミドルショットも決まり出す。高さのある西武文理のインサイドに対してはガード陣も積極的にオフェンスリバウンドに飛び込み、守ってはセンターの藤平皓成が奮闘。時にダブルチーム、トリプルチームを送って突破口を作らせなかった。第1クォーターを終えた時点で34対16と正智深谷が大きくリード。
これで波に乗ると第2クォーターにも佐々木謠や大滝唯人が確実にオープンスリーを沈め、前半(62-28)で勝負を決めた。正智深谷はこの試合でもトータル113点を挙げ、予選の5試合で平均113.6得点。全試合で100点ゲームを記録し、満を持してウインターカップ本戦に向かう。

ウインターカップは正智深谷にとっては鬼門だ。昨年は1回戦で初出場の関西大学北陽に対して前半に築いた16点のリードを後半で逆転される屈辱の敗戦を喫した。インターハイでは2012年に3位の実績を残しているが、冬は現筑波大学4年の山口颯斗をエースに据えた2015年と2016年の3回戦進出が最高成績と、なかなかベスト16の壁を超えられていない。それでも今年は昨年から主力として戦ってきた太田誠、藤平らが最上級生となり、2年生ガードの関河虎南が力強くオフェンスをリード。1年生フォワードのルーニー慧もルーキーらしからぬ安定感あるプレーで即戦力として活躍しており、未知数だからこその面白さがある。
1回戦の相手は近年、急速に力を付けている高知中央。留学生センターのジョベ・モハメドを軸にインサイドに分がある高知中央に対して、正智深谷のトランジションゲームがどこまで力を発揮できるか。正智深谷としては試合の入りからアップテンポな展開に持ち込み、目標のメインコートに向けて一つずつ勝利を積み上げたいところだ。

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