ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

福岡県男子

2020年12月4日

昨年のウインターカップは福岡第一と福岡大学附属大濠が勝ち進み、決勝で両校が激突する『福岡対決』が実現した。その前年は出場枠が1つのみ。県予選決勝に勝った福岡第一が本大会でも優勝しているが、多くの選手が「大濠との試合が一番厳しかった」と語っていたのが印象的だった。福岡第一はこの4年間で3度の優勝、大濠も2度の決勝進出と結果を残し、『バスケ王国、福岡』の名を高校バスケ界に響かせている。

大濠は1973年の第4回大会が初参加で、これで39回目の出場。福岡第一は2004年が初出場で、これで5年連続13回目の出場。実績に差こそあれ近年は実力伯仲、推薦枠で両校がともにウインターカップに出場することも増え、県大会を飛び出して全国の舞台で雌雄を決するようになっている。

もっとも、福岡県の強さは福岡大学附属大濠と福岡第一のトップ校が引っ張っているというよりも、ミニバス、中学バスケからの積み上げが大きい。もともとミニバスが盛んで、中学にも強いチームが多い。これを熱心な指導者と保護者が支えている。U15では全国トップレベルの実力を持つ中村学園三陽中と西福岡中がライバル関係にあり、福岡大学附属大濠と福岡第一と同じく切磋琢磨している。

写真提供:©バスケット・カウント、福岡県バスケットボール協会

九州男児は血気盛んで、一つの目標に対して熱心に突き進むタイプ。九州の中でも福岡県はミニバスチームが多く、練習量も豊富であり、ミニバスでも週5で練習のあるチームは少なくない。さらに福岡県のバスケットボールは歴史が長い分、繋がりも深い。指導者たちは盛んに交流して情報交換するだけではなく、互いに行き来して練習試合をこなす。また九州の玄関口にして最大の都市ということもあり、同じくバスケが盛んな熊本、佐賀、大分、そして本州の山口との間で行き来が多く、公式戦に限らずレベルの高い試合を繰り返して実戦経験を積むことができる。

福岡第一と福岡大学附属大濠に話を戻すと、両チームが近年になって全国でもトップの力を付けた背景には、地元出身の優れた選手をベースにしつつも、県外から、また福岡第一は留学生を入れるようになったことが大きい。昨年、公式戦無敗だった福岡第一で主力を務めたのは、地元出身で西福岡中時代から高い評価を受けていた小川麻斗、山口県出身の河村勇輝、コンゴ民主共和国から来たクベマジョセフ・スティーブの3人。地元生え抜きの選手、県外出身選手、留学生と、出身は異なるがそれぞれのトッププレーヤーが集まっていた。

また、環境面の充実も見逃せない。福岡大学附属大濠はフルコート2面、福岡第一は同1面の専用体育館を有しており、食育を導入して外部のトレーナーや指導者も必要に応じて加えている。勝っていることで、これまで以上に全国から優れた選手が集まる。福岡の強さはまだまだ続きそうだ。

写真提供:©バスケット・カウント、福岡県バスケットボール協会

NOW LOADING

TOP