ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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長野県女子

2020年12月8日

長野の高校女子で絶対的な女王として君臨しているのは東海大学付属諏訪。昨年までインターハイには10年連続(15回目)、ウインターカップには12年連続(16回目)で出場してきた。卒業後に実業団入りする選手も多く、現在は飯島早紀(トヨタ紡織)、内堀紫菜(山梨)、北川直美(新潟)などがWリーグで活躍している。

その一強、東海大学付属諏訪を脅かす存在はなかなか現れない。過去10年のウインターカップ予選の決勝戦を見ると、2010年は文化女子大学付属長野(現在の文化学園長野)、2011年は佐久長聖、2012年は上伊那農業、2013-14年は長野吉田、2015年は松商学園、2016年は上伊那農業、2017-18年は市立長野、2019年は佐久長聖と、そのときのメンバーの層が厚い学校が東海大学付属諏訪に挑戦するかたちとなっている。
そうした分布図の変化はベスト4以上にも当てはまり、どこが準決勝まで勝ち上がってくるかはその年次第。過去3年の4強を見ると、2017年は東海大学付属諏訪、市立長野、松本蟻ヶ崎、飯田風越、2018年は東海大学付属諏訪、市立長野、長野商業、佐久長聖、2019年は東海大学付属諏訪、佐久長聖、上伊那農業、市立長野となっている。

そんな中、今年のウインターカップ予選で準決勝まで駒を進めてきたのは東海大学付属諏訪、松商学園、上伊那農業、岩村田の4校。そして東海大学付属諏訪が100-60で松商学園を、岩村田が67‐55で上伊那農業を下し、決勝は東海大学付属諏訪対岩村田というカードに。東海大学付属諏訪にとっては13年連続、岩村田にとっては32年ぶり(3回目)の決勝進出となった。
そして迎えた両校の対戦。開始直後はターンオーバーが続き約1分20秒得点がなかったが、大塚愛真の速攻からのレイアップで先取したのは岩村田。しかし東海大学付属諏訪は長田夏実がすぐにミドルシュートを沈めると、西連地朱音の3ポイントシュート、中尾祐希のレイアップ、山下芽のミドルシュートとディープスリー、長田のジャンパーと怒涛の連続14得点。岩田村のシュートがリングに嫌われるのに対し、東海大学付属諏訪は打つシュートがほぼ決まるという確率の良さであっという間に引き離すことに成功した。
その後も、東海大学付属諏訪の猛攻は続き、山下、大川衣里のミドルシュート、宮川桜、長田の3ポイントシュートで次々と加点し、東海大学付属諏訪は第1クォーターだけで30得点。対する岩田村はオフェンス時にパスカットされたりパスミスになることが多く、なかなかリズムをつかめない。間島小雪のレイアップ、北原知佳のリング下シュートなどを入れるのが精一杯で13得点にとどまった。
それでも第2クォーターで、市川杏純の強気のドライブ、北原のジャンパー、大塚のミドルシュートなどで少しずつ調子を戻してきた村岩田。第3クォーターではディフェンスでプレッシャーをかけられるようになってきたこと、リバウンドを取れるようになってきたこと、速攻が決まるようになってきたことなどにより、このクォーターだけでみると13‐12と東海大学付属諏訪を上回ることができた。
そして迎えた最終第4クォーター。岩村田は間島の果敢なドライブで先制すると、大塚のリング下、本田咲羽の速攻などで加点。守ってはゾーンディフェンスが機能したことで相手のペイント付近からの攻撃をある程度は防ぐことに成功する。しかし、それに対応できるのが女王・東海大学付属諏訪。内がだめなら外があるとばかりに、梅原ましろが3ポイントシュートを3本決めれば、それに続くように宮川、奥原心希も3ポイントシュートを沈めて見せる。結局、スタメン以外の層の厚さも見せつけた東海大学付属諏訪が85-58で勝利し、13年連続17回目のウインターカップ出場を決めた。

東海大学付属諏訪はそのウインターカップ1回戦で盛岡白百合学園(岩手県)と対戦する。今回のウインターカップでの目標は「まずは初戦突破」。その上で、これまでの最高成績である全国ベスト16を上回るベスト8を目指す。

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