長崎県女子
2020年12月11日
今年のウインターカップに、長崎県から男子は佐世保工業、女子は長崎西が出場する。
ウインターカップ予選の準決勝では、昨年まで3年連続23回のウインターカップ出場の実績を誇る長崎女子を69-65で下し、決勝戦ではトヨタ自動車アンテロープスに所属する永田萌絵の母校、長崎商業と対戦して89-80で破り、長崎西が4年ぶり6回目の出場を果たした。
長崎県女子の勢力図で言うと、私立の長崎女子と公立の長崎西、長崎商業、佐世保南が最近はベスト4に入っている。中でも今年のウインターカップ出場を果たした長崎西は、偏差値68から72と県内の公立高ではトップの進学校であるため文武両道は欠かせない。昨年大会に出場した長崎女子は、県外から来ている選手もいるためメンバー構成からしても優勝候補と見られていたが、長崎西は3年生を中心にまとまり、チームワークで勝利をつかんだ。
長崎では、2018年と2019年にWリーグのサマーキャンプ、昨年はTREASURE’19オール九州ジュニアバスケットキャンプ長崎が開催され、女子バスケット界のレジェンド、大神雄子やNBAでプレーし日本代表選手でもある渡邊雄太がサプライズ登場したりと、育成年代に向けた良い環境を提供できている。長崎県バスケットボール協会の担当者は「そういうところにミニバスの子や中学生を呼んで、本物を見せてあげるようにしています」と語る。
それでも桜花学園でキャプテンを務める江村優有は佐世保の広田中出身だが、県外のトップチームへと進学した。長崎県バスケットボール協会の担当者は、「そこが県としての課題ですね」と言い、今後は優秀な選手に県内の高校でバスケをしたい、と思ってもらえるような強化を図っていくことが重要だ。
話を長崎西に戻すと、2016年にウインターカップに出場した時は、初戦で当時15年連続20回目の出場となる強豪、聖カタリナ学園と対戦。日本代表のアンダーカテゴリにも選出されている石原柚香の3ポイントシュートや梅木千夏の高速ドライブに苦戦し、主導権を握られた。それでも長崎西もゾーンディフェンスを効果的に使って対抗し、一時は逆転に成功するが、勝負どころで梅木(20得点)と石原(16得点)のオフェンスの核を抑えることができず、65-69とあと一歩届かず初戦敗退となった。
あれから4年ぶりのウインターカップ出場となった長崎西だが、今回の初戦の相手は再び聖カタリナ学園に。今年の長崎西は一人ひとりの個人技があり、どこからでも得点を取ることができるチームだ。今回の大会で4年前の雪辱を果たすことができるかどうか、長崎西の戦いに注目したい。