徳島県男子
2020年12月11日
徳島県男子は予選決勝で城東との72-70という激戦を制した海部がウインターカップに出場することになった。
海部はこれで 3 年連続のウインターカップ出場となる。それでも決勝戦のスコアが示すように城東との力の差はほとんどない。海部の前身である海南時代から、城東と優勝を分け合ってきた。海部を追う城東に徳島市立、城南、鳴門渦潮などの上位校の力も拮抗し、徳島県は群雄割拠となっている。
こうした構図となった背景には、15年前から県協会主催で小、中、高の一貫指導に取り組んできた成果が表れているのではと関係者は言う。「徳島県は他県と比べて競技人口、登録チーム数は少ないです。それでも、15年程前から小、中、高の一貫指導を取り組んできました。その成果として、BリーグやWリーグで活躍する優秀な選手が現れるようになりました」
ちなみに海部は徳島県の南端に位置し、公共交通機関の便数が少なく通学に不便なため、部活動をする生徒のほとんどが寮生活をしている。バスケットボールの伝統校であり、地元にいる多数のOBが部活動や選手の生活を多方面からサポートしてくれていることで、強豪としての地位を保ち続けている。
徳島は新型コロナウイルスの影響で今年度の県リーグが中止になった。5月下旬から順次学校が再開され、部活動も三密を防ぎながら手指消毒等を徹底しながら再開されたが、6月のインターハイ予選は準備不足で中止となり、代替大会を8月初旬にグループ戦にて開催した。ウインターカップ予選は準決勝までは無観客とし、決勝戦は人数制限をした上で保護者を入れた開催された。
8月には県協会から県外への往来や多数のチームが集まる交流会などを自粛する要請が出された。やや緩和されたが、現在も引き続き自粛要請が出ていることもあり、対外試合の場は格段に減っている。
こうした背景があった中、苦しみながらも3連覇を達成した今年の海部はキャプテンの大坪潤也、オールラウンドプレーヤーの細川翔平を中心にまとまりのあるチームに仕上がった。大坪は大会最優秀選手、年間優秀選手に選出され、細川、多田陸大、由良快斗も年間優秀選手に選出されている。彼らは3年生が2人しかいなかった昨年からチームの主力を務めていただけに、この経験値は全国の舞台で戦う上でも大きな武器となる。
さらに言えば、海部は昨年のインターハイで福岡第一に敗れ、ウインターカップ初戦では福岡大濠に敗れた。高校バスケ界のトップクラスの壁を超えられなかったが、この負けを経験しているからこそ、上位進出への期待も大きい。
1回戦の相手は北海道栄。これに勝利すると、2回戦では福岡第一と再び対戦することになりそうだ。1年前とは違った姿を披露し、『福岡超え』を達成できるか。