ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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沖縄県男子

2020年12月22日

沖縄県男子は予選決勝で豊見城が興南を62-48で下し、3年連続でウインターカップに出場する。

今回の優勝でウインターカップ予選3連覇を達成した豊見城だが、新チームがスタートして迎えた最初の県大会で優勝を逃したように、他校との実力差がそれほど大きいわけではない。決勝で対戦した興南とはインターハイ予選の決勝でも戦っており、その時は延長の末に豊見城が勝利した。また、1、2年生主体の美来工科が新人大会を11年ぶりに制するなど、伝統校だった本来の姿を取り戻しつつある。

県内の実力が拮抗する背景には、スポーツに力を入れる私立校が少なく、指導者の異動が多い沖縄特有の性質が絡んでいる。「有名な指導者が異動することでその学校に選手が集まり、だんだんと強くなったリ、逆にこれまで強かった学校が停滞するというのはあります。興南は数少ない私立校なので良い生徒が集まりやすく、安定した成績をずっと残しています。指導者の異動で勢力図が変わりやすいと思います」と関係者は語る。

沖縄は全国的に見てもバスケが盛んな地域で、生徒たちも愛着を持って県内でバスケを続けている選手が多いように思える。それでも、特にトップ選手の流出は他府県と同様に避けられない。最も分かりやすい例が、福岡第一のエースに成長したハーパージャン・ローレンス・ジュニアだ。ローレンス・ジュニアはコザ中学の出身で、同校を全中3位に導いた立役者だ。この代のコザ中学からは當山修梧と砂川流勇も含め、トップの3選手が福岡第一へと進学している。

今年の豊見城は沖縄伝統のスピードに加え、合わせやコンビネーションを駆使して、ウインターカップ出場権を勝ち取った。留学生はおらず、全国的に見ても小さいチームだが、キックアウトからの3ポイントシュートの精度を高め、トランジションを最大限に速めることで、高さの不利を感じさせないバスケで全国に挑む。

チームの中心選手は1年生の頃から起用され、経験値も十分にあるガードの渡久地政睦だ。卓越したボールハンドリング能力を持ち、スピードも一級品。緩急自在なドリブルワークで相手を抜き去り、フィニッシュまで持ち込む高い得点力を持つ。以前は得点を取ることに執着しすぎ、周りが見えていないこともあったが、現在はドライブからのキックアウトでアシストも量産する巧さも備わった。

ウインターカップは3年連続での出場となるが、一昨年は帝京長岡に40-62で敗れ、昨年は福島東稜に71-73と僅差で敗れ、1回戦の壁を超えられていない。今年の1回戦の相手は強豪の北陸学院。手強い相手であることは間違いないが、『全国で1勝』の目標を達成することができれば、そのままの勢いでベスト8進出の可能性も見えてくるはずだ。

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