【現地レポート⑱】東海大学附属諏訪の1年生ガード・髙山鈴琉。敗れはしたものの、来年以降へと続く35得点
2020年12月27日
高校バスケット界においてウインターカップは、その年の最後の全国大会となる。したがって出場した3年生たちもこの大会で高校バスケットの節目を迎える。
12月23日から始まった「SoftBank ウインターカップ2020 令和 2 年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」でも多くの3年生が最後の全国大会を戦っているが、彼らとともに躍動している1年生たちもいる。
その一人が東海大学付属諏訪(長野)の髙山鈴琉だ。174㎝の髙山は、東海大諏訪の司令塔としてスターターを担う選手。3回戦では惜しくも報徳学園(兵庫)に敗れ、試合後は「相手のセンター、それと良いシューターがいるので、その2人を止めることが難しかったです」と肩を落としたが、ガードとして、得点源として攻撃の中心を担った。
そもそも髙山は、京都精華学園中学校時代に全国大会に出場。2年生の時には3位、3年生の時にはチーム初優勝の立役者となった。そして輝かしい実績をひっさげ卒業後は東海大諏訪高校へ入学。「(コーチの)入野(貴幸)先生に教わりたいということと、体験で練習に参加した時、練習の雰囲気が良くて、うまくなれるということを感じたこと」が進学の大きな理由だった。
落ち着いたゲームコントロールに加え、「中学の時はアシストに偏っていたのですが、(高校では)得点にも絡んでいくようになりました」と本人が言うように、自らも積極的にシュートを放つ。敗れはしたものの、約35分半の出場で両チーム最多となる35得点(3ポイントシュート6本を含む)は、その得点力の高さを十分に見せ付けたといっていいだろう。
「ウィンターカップは、(負ければ)3年生たちを引退させてしまうという試合なので、やっぱり緊張もあり、絶対に勝たなくてはいけないという気持ちがありました」と大会を振り返った髙山。東海大諏訪のウインターカップでの最高成績がベスト8のとため、まずはそこに並ぼうという指揮官からの言葉を胸に準々決勝に臨んだという。
報徳学園戦ではマッチアップこそ多くはなかったが、相手のガードには同じく1年生のテーブス流河がいた。テーブスとは中学時代から知る仲で、中学3年生の全国大会(以下全中)では準決勝で対戦している(この時は京都精華学園が勝利)。
「テーブスはシュートが上手くて、止めにくくて、全中で対決した時よりも、うまくなってました」と髙山。
一方のテーブスも「全中で負けたのが彼のチームだったので、そこはリベンジできてよかったと思います。ゲームメイクと気持ちが強い選手で一流だと思いました」と髙山について語った。
2人とも将来有望な選手。テーブスは明日の準々決勝に向けて、髙山はウインターカップはここで去ることになったが、目標である日本一に向けて新たにスタートを切る。
「フィジカルトレーニングと。脚力を付けたいと思います。今回は負けてしまったので、2年、3年ともう一度、日本一目指して頑張りたいです」と髙山はしっかりと前を見て力強く発した。