ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑰】福岡大学附属大濠、期待のルーキーが痛感した全国の洗礼

2020年12月26日

試合後、ミックスゾーンに現れた# 7 湧川 颯斗 ( 福岡大学附属大濠 1 年 ) の目には、今にもこぼれそうな悔し涙が浮かんでいた。

大会 4 日目を迎えた「SoftBank ウインターカップ2020 令和 2 年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。ベスト 8 を懸けて東山 ( 京都 ) に挑んだ大濠は、序盤から攻防で圧倒される形となった。インサイドで相手にイニシアチブを握られる分、生命線は外のシュートだったが、これがことごとくリングに弾かれる。ディフェンスでも#11米須 玲音を起点に# 4 西部 秀馬や# 9 ムトンボ ジャン ピエールが果敢にリングにアタックしてくる東山に対して、後手に回ってしまった。前半だけで28点差を付けられ、その後も大差を埋めるには至らず65-94でタイムアップ。「粘って付いていければ良かったのですが…踏ん張り切れませんでした」と片峯コーチが言うように、完敗を喫してベスト16敗退となった。

 

今年の大濠において、 1 年生で唯一スターターの座を勝ち取ったのが191cmのオールラウンダー・湧川だ。インターハイが中止となり、このウインターカップが高校入学以来、初めての全国の舞台。古田中時代に全国中学校大会で準優勝を果たしたキャリアの持ち主だが、それでも「中学の全国大会とは雰囲気などが全然違いました。初戦から緊張して思うようなプレーができなくて、それを次の試合にも引きずってしまいました」と、面食らった部分はあるようだ。

この東山戦も 6 得点に抑えられ、「先輩たちにたくさん支えてもらったのに、コートの上でプレーで返すことができなかったことが悔しいです」と言葉を絞り出した湧川。「もっとリバウンドに絡まないといけなかったし、ボールをプッシュしなければいけなかった」と、その口から出てくるのは反省ばかりで、高校での全国デビューはほろ苦い経験となったようだ。

ただ、以前に片峯コーチは湧川について「どんどん失敗して学んでほしい」と話しており、将来を見据えて積極性を求めながらのびのびとプレーさせている。まだ線は細いが、しなやかなプレーには光るものがあり、伸びしろは無限大。湧川は「ボールプッシュと3Pシュートを磨いて、ディフェンス面では簡単に抜かれないようにしたいです」と課題を述べ、「こういう経験をさせてもらったので、 3 年生の悔しい思いも背負って来年は絶対に優勝したいです」と決意を語っていた。

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