ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

秋田県男子

2020年12月4日

ウインターカップ秋田県予選決勝で秋田西を75‐50で下し、全国大会への切符を手にしたのは能代工業 。来春、能代西と統合し校名が能代科学技術に変更されることが決まっているため、能代工業としての全国大会出場はこのウインターカップが最後となる。これまでインターハイ22回、ウインターカップ19回の優勝を誇る名門・能代工業は、OBなどのチーム関係者だけでなく地元住民からも愛される存在。それだけに今回のウインターカップは全秋田県民が特別な思いで戦いぶりに注目することになりそうだ。

その能代工業とウインターカップ予選決勝を争ったのが秋田西。両校が決勝を戦うのは3年連続で、2年前は47‐86、昨年は53‐101で負けている秋田西にとっては何とかして一矢報いたいところだったが、序盤でリズムをつかんだのは県内ではサイズ的な優位がある能代工業。リバウンドを支配するだけでなく、佐々木駿汰の3ポイントシュートやドライブ、中山玄己の3ポイントシュート、上村大佐のミドルシュート、成澤頼のゴール下などで着実に加点。一方の秋田西は髙田省吾のドライブ、菅生千斗の3ポイントシュート、鈴木勇志のローポストを起点にした攻撃で対抗するが思うように得点が伸びず、前半を終えて能代工業が43‐16と大きくリードする。
しかし、後半になると流れが一変。鈴木敦凱の3ポイントシュート、玉造大誠のドライブと連続5得点で流れに乗った秋田西が、その後も激しいディフェンスからの速攻を続けて決めるなどし、 この3クォーターだけを見ると秋田西が21‐16とリード。見せ場を作った形となった。それでも4クォーターになると経験豊富な能代工業が本領発揮。伝統の手堅いディフェンスで約5分間、秋田西をノーゴールに抑え込む一方、攻めてはポストプレーや外角シュート、セットオフェンスなど多彩な攻撃で着実に加点。3年連続49回目のウインターカップ出場を決めた。能代工業として戦う最後の全国大会、ウインターカップは1回戦で九州学院(熊本)と対戦する。

この能代工業、秋田西の他、準決勝まで駒を進めてきたのは平成と由利工業。
このうち平成は、それまで長年、能代工業が君臨してきた秋田県に新風を巻き起こすことになった存在で、その名が一躍全国区になったのは2016年のインターハイ予選決勝。それまで大会47連覇中の“必勝不敗”能代工業に100‐68と差を付けて勝利し、初めて全国大会への切符を手にしたのだ。その後、同年のウインターカップ予選でも優勝し、夏の結果がフロックでなかったことを証明した平成。しかもウインターカップ1回戦にも勝利し、インターハイでは逃した悲願の全国1勝目も手にすることができた。その2016年以降は全国大会への出場は果たせていないが、ウインターカップ予選だけを見ると、2017と2018年はベスト4 、2019年はベスト8だったものの、今年は再びベスト4 。常に上位に食い込むことで、秋田の高校バスケット界に緊張感をもたらしている。
そして準決勝進出チームのうちのもう一校、由利工業は、ウインターカップ予選に限れば2015年以来5年ぶりのベスト4 。昨年は2回戦敗退、一昨年も2回戦敗退と下位回戦での負けが続いていたが、新たなメンバーに代替わりした今年は抜群の得点力を誇るエースの渡部駿也の存在が大きく、1月の秋田県新人戦では平成を撃破。ポテンシャルの高さを見せており、今回のウインターカップ予選でもその力を発揮することができた。

この由利工業とは逆に、勢いを見せられずベスト8に終わったのが秋田工業。2012年以来、ウインターカップ予選では常にベスト4以上をマークし、2017年には念願のウインターカップ初出場を決めた秋田工業。それ以降も県予選ではベスト4入りを死守してきたが、今年は準々決勝で秋田西と当たるドローだったこともありベスト8止まりとなった。
この他、今回のウインターカップ予選でベスト8入りしたのは、大曲工業、大館桂桜、秋田南の3校。いずれもこれまで安定した戦績を残してきた学校であり、戦績としては順当と言えるだろう。

NOW LOADING

TOP