ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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大阪府女子

2020年12月8日

大阪では府内での競争が激しく、男子ではトップ校が頻繁に入れ替わっているが、女子では今回が33回目の出場となる大阪薫英女学院が名門としての地位を確立している。一方、もう一校の出場校である大阪桐蔭はまだ出場4回目ながら、2017年には優勝を果たしている。翌2018年には大阪薫英女学院がウインターカップで準優勝、2019年にはインターハイで両校揃ってベスト4入りと、現在の大阪の2強は全国屈指の実力を誇る。

写真提供:大阪府バスケットボール協会

伝統校の大阪薫英女学院、新興勢力の大阪桐蔭という構図に見えるが、内情を見ると逆とも言える。大阪桐蔭の森田久鶴コーチは62歳のベテランで、もともと中学校の指導者出身だが、前任校はインターハイ優勝5回、ウインターカップ優勝3回の実績を誇る古豪の樟蔭東だ。そこから大阪桐蔭に移り、全国でトップを狙えるチームを作り上げた。今が就任11年目。2017年には竹原レイラという突出したタレントの力を生かしてウインターカップを制したが、その後はサイズのある選手がいなくても息の合った堅守速攻で好成績を残している。

逆に大阪薫英女学院を率いる安藤香織コーチは就任6年目の43歳。もともとは豊島高校で『打倒、薫英』を掲げ、公立校ながら強いチームを作り上げ、インターハイやウインターカップに出場してきた。その安藤が大阪薫英女学院を長く率いた名将、長渡俊一から後継者に指名されて現在に至る。

男子と同様に、大阪は競技人口が多くて中学で良い選手が生まれるが、他県の高校への進学を選択するケースが少なくない。しかし大阪薫英女学院も大阪桐蔭も、手持ちの戦力を上手く組み合わせてその年その年のスタイルを作り上げて全国の上位へと食い込んでいる。

両チームともに去年のウインターカップで2年生ながらスタメン起用された選手が複数おり、彼女たちがチームの主軸を担う。ここ数年は全国大会で上位進出が当たり前になっている両チームだが、勝ちに飽いたり慢心することはない。大阪桐蔭の3年生は、自分たちが入学する直前にチームが全国優勝した一方で、自分たちが1年生だった翌年にウインターカップ出場を逃す厳しさを身をもって経験している。大阪薫英女学院はライバルの大阪桐蔭にウインターカップ初優勝を先んじられ、上を目指す気持ちが強い。

大阪薫英女学院は近畿新人大会を制し、ウインターカップ予選でも安定したチーム力を発揮して優勝している。例年に比べると小柄だが、キャプテンの安田茉耶を中心に機動力を生かす。176cmの2年生センター佐藤双羽、1年生ながら先発ポイントガードを務める都野七海と下級生にもタレントが揃う。

かつて大阪府女子では大阪薫英女学院と樟蔭東が切磋琢磨して実力を伸ばし、全国優勝を重ねた時期があった。その再来となる時代はもう訪れているのかもしれない。今年は新型コロナウイルスの影響で非常に難しい大会となるが、両チームの健闘に期待したい。

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