福島県女子
2020年12月8日
東北ブロック新人大会で郡山商業が優勝したことにより、上位2チームにウインターカップの切符が与えられることになった福島県女子。結果は郡山商業が5年連続7回目、帝京安積が初めての全国出場を決めた。
写真提供:福島県バスケットボール協会
男子同様、新型コロナウイルスの影響により県内の各大会が中止となり、今年度最初の公式戦が8月下旬から9月中旬にかけて行われたウインターカップ地区予選。その地区予選を勝ち抜いた32チームにより、ウインターカップ県予選が行われた。
トーナメントを勝ち上がって決勝リーグに駒を進めたのは、郡山商業、福島成蹊、福島東稜、帝京安積。四つ角のシードが危なげなく勝ち上がる形となった。なお昨年のインターハイに出場し、県新人大会で3位だった伝統校・福島西は、1回戦で帝京安積に53-77で敗れて姿を消した。
決勝リーグは、4チームによる総当たり戦。中でも東北ブロック新人大会優勝の郡山商業は、やはり頭一つ抜けていた。ダブルヘッダーとなった11月1日には、福島成蹊を122-30、留学生を擁する福島東稜を98-58で一蹴。翌日は2勝同士の帝京安積と優勝を懸けた戦いとなり、1クォーターこそ流れをつかめず15-15の同点となったが、オールコートの激しいディフェンスで主導権を握ると、攻めてはオールラウンダー円谷愛加の得点や佐藤杏莉の3ポイントシュートなどでリードを拡大。35-22で入った後半も集中を切らさず、帝京安積をさらに突き放して73-47で冬の5 連覇を達成した。
今年度の郡山商業は、下級生の頃から経験を積んできたメンバーが多い“勝負の年”。特に円谷と須釜心の両エースがチームを引っ張ってきたが、この夏に須釜がケガに見舞われ戦線離脱。ダブルエースの一角が欠けた分、より一層、オフェンスでもディフェンスでもチーム力を高める必要が増した。その中で、カギを握るのが冷静なゲームコントロールが光る司令塔の佐藤(杏)だ。「チームの絶対的司令塔であり、抜群のリーダーシップを発揮するチームの精神的柱」と松本理コーチも信頼を置くキャプテンであり、苦しいときこそ頼りになる存在。攻防の要となる円谷とともに、ウインターカップでもチームを引っ張る活躍が求められるだろう。来たるウインターカップでの目標は、新チームが始動してから変わらず「全国ベスト8」。リバウンド、ルーズボールなど球際の強さを磨いて、虎視眈々と上位進出を狙っている。
また、県2位でウインターカップ初出場を決めたのが帝京安積だ。近年、県の上位には進出してもあと一歩のところで行く手を阻まれていた彼女たちにとって、全国出場はまさに“悲願”。特に昨年は、インターハイ予選の準決勝で第1シードの郡山商業を57-51で破るアップセットを起こしたものの、決勝で福島西に45-52で敗戦。また、同年のウインターカップ予選も準決勝、39-44で福島西に惜しくも敗れて全国出場はかなわなかった。その悔しさを知る選手たちは今年度、県新人大会で2位となり、東北ブロック新人大会で聖和学園(宮城1位)や山形中央(山形1位)と対戦して敗れはしたものの貴重な経験を積んだ。満を持して臨んだ今大会では決勝リーグ、福島東稜を65-44、福島成蹊を71-56で下して2連勝。最後は郡山商業に47-73で敗れたが、県2位でうれしいウインターカップ初出場となった。
チームの特徴は、粘り強いディフェンス。サイズはないものの、足を使った“全員バスケ”でリズムを作る。また、オフェンスではキャプテンでもあり、郡山商業戦でもドライブを中心にチーム最多の20得点を挙げたエースの武田侑樹がチームを勢い付ける。初出場となるウインターカップでの目標は「初戦突破」と一ノ瀬公子コーチ。キャプテンの武田も「今まで支えてくれた方々へ感謝の気持ちを込めて最後まで諦めず、自分ができることを一生懸命頑張りたいです」と意気込み、初の大舞台を見据えていた。
写真提供:福島県バスケットボール協会