香川県男子
2020年12月8日
香川県の男子は尽誠学園と高松商業の2校がウインターカップに出場する。
NBAプレーヤーである渡邊雄太の出身校としても知られる尽誠学園は、持ち味である固いディフェンスと全員バスケットを体現し、ウインターカップ予選の決勝リーグにおいて3試合すべてを100点ゲームで圧勝。3年連続13回目の出場を決めた。
尽誠学園が四国ブロック大会で優勝したため、香川県からは2校がウインターカップに出場することができる。尽誠学園には大差で敗れたが、多度津戦(87-84)、高松戦(77-74)で、僅差の接戦を制した高松商業がその切符をつかんだ。香川県は色摩拓也コーチが強豪へと引き上げた尽誠学園が絶対王者として君臨しているが、高松商業は2017年に夏と冬の連続で尽誠学園を倒した実績があり、ウインターカップ出場回数も上回っている古豪だ。
高松は惜しくもウインターカップ出場は逃したが、県内随一の進学校として知られている。スポーツ推薦はなく学力で入学するしかないため、『文武両道』を体現する場として人気がある。尽誠学園が頭一つ抜け出ているが、決勝リーグを戦った3校は実力伯仲というのが現在の香川の状況だ。
県内にこうした『ブランド力』のある高校がいくつか存在する香川だが、「兵庫や大阪に行ったり、延岡学園や北陸に行くといった話は聞きます」と、他府県と同じように戦力の流出は少なからずあると関係者は語った。
前述のとおり、香川は渡邊を輩出した県として知られているが、周りが想像しているよりも、バスケ熱の高まりはあまりないのが実情のようだ。「確かに渡邊選手がいて、香川ファイブアローズもあるのでバスケットが盛んな県じゃないかとの印象を持たれがちです。ファイブアローズののぼりや渡邊選手のポスターなどが貼られていたりはしますが、『NBA選手を輩出した県』という感じは正直ありません。県民性もあると思いますが、香川オリーブガイナーズがあり、野球のほうが好きなんだなと感じます」
シードとなった尽誠学園は英数学館vs鹿児島工業の勝者と戦う。シード校ゆえの初戦の難しさはあるが、過去に2度の決勝進出を果たしているだけに初戦突破は最低限の目標となる。強固なディフェンスから繰り出されるトランジションを武器に、全員バスケでトーナメントを勝ち抜いてくれるはずだ。
高松商業は初戦で和歌山工業と戦う。エースの谷本希はオーバータイムまでもつれた高松戦で39得点を挙げた。全国でもそのポテンシャルを発揮し、古豪復活を印象付けてほしい。そして、香川県のバスケ熱を高めてほしいものだ。