ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

山形県男子

2020年12月16日

山形県でも新型コロナウィルス感染拡大の影響で4月から6月に予定されていたインターハイ予選をはじめ、各種大会を中止することになった。高校のカテゴリーでは7月に入ってから各校の申し合わせにより交流試合を実施した。その後、公式大会も無観客ではあるが順次開催してきており、試合のないチームの試合観戦禁止、敗者チームによるTOなど、極力関係者を抑える対策を実施している。

ウインターカップ県予選も無観客での開催となったが、多数の保護者から「3年生最後の試合を映像配信できないか」との要望が強かったことから、山形県協会・高等学校体育連盟バスケットボール専門部でその対応を模索。すると「高校生のために」と県内企業から率先して協賛の意向が示され、その結果、YouTubeを利用し、全試合をライブで映像配信することにつながった。こうした取り組みは会場に来られなかった保護者、関係者からも非常に好評であったという。

ウインターカップ県予選のベスト4に進んだのは羽黒、鶴岡東、米沢中央、山形中央。鶴岡東は県新人大会ベスト4の山形学院を114-109のハイスコアリングゲームで制して準決勝に進んだ。しかし、大会連覇中の羽黒のカベは厚く、75-97で涙をのんだ。もう一方の準決勝、米沢中央対山形中央の一戦は接戦となった。第2シードの山形中央は、抜群に得点力のある3年生で身長185センチの漆山蓮を筆頭に、サイズのある身体能力に優れた選手を揃えており、周囲からは決勝での羽黒高校との対戦が期待されていた。しかし、そんな下馬評を覆し、米沢中央が89-88と劇的な逆転勝利で決勝に進出した。米沢中央は小柄ではあるが高いシュート力と戦術を工夫した一体感のあるチームで、この大会後に出場した第7回3×3 U18日本選手権大会で見事に全国制覇を成し遂げた。

羽黒と米沢中央の決勝は序盤からハイスコアの様相。先行する羽黒に米沢中央が付いていく展開で、両者ともシュートを良く決め29-24と羽黒が5点のリードで1クォーターを終えた。2クォーターに入ると羽黒が一時2ケタにリードを開くものの、前半終了間際に米沢中央は連続ゴールで53-46とビハインドを7点にとどめ、後半に望みをつないだ。3クォーターは互いに譲らず7点差のままで最終クォーターを迎えた。羽黒は加藤律輝を中心に加点。リバウンドでも強さを見せ点差を開きにかかるが、米沢中央も最後まで付いていく。しかし、このクォーター30点を加えた羽黒の底力が勝り、103-91で羽黒が山形県選手権大会3連覇を達成、ウインターカップへコマを進めることになった。

羽黒高校は、193センチのモンゴル人留学生エンフタイワン・イデルジャフラン(2年生)を擁し、攻守の要となる今井弘己(3年生)、3ポイントシューター佐藤空(2年生)、オールラウンドな五十嵐楓冴 (2年生)、183センチのビッグガード加藤律輝(1年生)というラインナップで、どのポジションからも得点できる1、2年生が主体のチーム。決勝戦でも佐藤空の32得点を筆頭に、イデルジャフランが27得点、今井が21得点、加藤が15得点を記録している。県新人大会でも優勝を遂げた羽黒だが、下級生の成長によってさらに選手層に厚みを増した。全国大会常連校として名前も知られつつあるだけに、ウインターカップでの上位進出に期待したい。

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