ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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岩手県男子

2020年12月22日

新型コロナウィルスが蔓延し、緊急事態宣言が出された4~5月の時期にあっても感染者数0が続いていた岩手県。細かな制限はあったものの比較的通常の生活を送ることができていたという。しかし、岩手が感染者0でも他地域での感染状況の悪化によりインターハイ、国民体育大会はじめとする全国大会はもちろんのこと、県内における各種大会についても中止・延期の判断をするしかない状況となった。そして、延期していたU18リーグ戦も、7、8月に希望校を募り交流戦として実施するなど活動を再開。ウインターカップの県予選でも感染防止を最優先し無観客での対応となった。

ウインターカップ岩手県予選は8地区の予選と推薦による32チームのトーナメントで開催された。ベスト4に勝ち上がったのは盛岡南、一関工業、盛岡市立、黒沢尻工業であり、令和元年の新人大会と同様の結果となった。新人大会ではベスト4によるリーグ戦を行い、盛岡南、一関工業、盛岡市立の3チームが2勝1敗で同率、得失点差で盛岡南が1位、2位一関工業、3位盛岡市立との順位であった。

3年生最後の戦いとなった今大会では、一関工業は新人大会で苦杯を喫した盛岡市立を95-85で破って決勝進出。もう一方の準決勝は87-76で盛岡南が黒沢尻工業に勝利。盛岡南対一関工業の決勝となった。
ここ3年、インターハイ、ウインターカップと全国大会出場は一関工業が占めており、新人大会でも79-66で一関工業が盛岡南に勝利している。現在の一関工業のエースは3年生の菅原佳依で、身長191センチのオールラウンダーである。アンダーカテゴリーの日本代表にも選出されており、11月より黒沢尻工業の志田涼介とともに、地元プロチーム、岩手ビッグブルズ(B3)に練習生として帯同している。

4年ぶりの優勝を目指す第1シードの盛岡南と4年連続の優勝を目指す一関工業との決勝。序盤は盛岡南のゾーンディフェンスに対し、一関工業が三浦輝星の3連続3ポイントシュートなどで波に乗り、16-4とリードを奪うと、第1クォーターを26-19として主導権を握る。第2クォーターも流れは変わらないものの、盛岡南が我慢のバスケットで付いていき、前半終了のブザービーターで佐藤歩が3ポイントシュートを沈め、37-41と4点のビハインドで折り返した。第3クォーターに入ると盛岡南の左利きガード、川村愛斗が3ポイントシュートを含む連続9得点で流れを呼び込み、逆転に成功すると得点差を開く。しかし、その後はお互いにディフェンスを引き締め、得点が伸びない膠着状態。それでも一関工業は菅原が力強さを見せ、56-58と1ゴール差まで詰め返し最終クォーターを迎えた。一関工業は62-62と同点に追いつくものの、その後ディフェンスの集中力を増した盛岡南がトランジションから速攻を繰り出し、主導権を取り戻す。その後もルーズボールを支配し、リードを保ちながら終盤を迎えるものの、一関工業は2年生の髙橋洸成が激しいディフェンスから得点を決め、さらに鳴りを潜めていた三浦輝星が残り 1 分20秒で 3 ポイントシュートを沈めて74-76と再びワンゴール差に迫る。しかし、反撃もここまで。盛岡南はファウルで得たフリースローをしっかりと沈め、79-74で一関工業を振り切った。サイズには劣る盛岡南だったが、豊富な運動量で一関工業を凌駕し14度目の優勝でウインターカップ出場を決めた。

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