ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑩】“らしい” 第3クォーターを送った北陸が中部大学第一とのクリスマスマッチを制す

2020年12月24日

「SoftBank ウインターカップ2020 令和 2 年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は本日で 2 日目 (12月24日) を終了した。クリスマスマッチとなった男子 1 回戦の最注目カード、北陸 (福井) 対中部大学第一 (愛知 / 以下、中部第一) の一戦は予想に反するワンサイドゲームになった。

 中部第一にとっては春先の東海新人大会以来の公式戦、北陸としても中部第一レベルの強豪と公式戦で対戦するのは久しぶりのことだ。そんな両チームの一戦は序盤、どちらかが外せば片一方も外すというスッキリとしない展開で時間が流れ、前半を終えて北陸が 9 点をリード (40対31)。

 この時点ではまだどちらのチームの流れでもなかっただけに、どちらが先に自分たちのリズムを取り戻すのか。これが勝敗を決するポイントとなった。

 均衡を破ったのは北陸。「ハーフタイム中に下級生がたくさんパスを出してくれて、後半につながる良いシューティングができた」と振り返った米本信也の 3 ポイントシュートで第 3 クォーターをスタートすると、米本同様、前半シュートタッチに苦しんだ加藤大成と小川翔矢にも当たりが出始め、わずか 2 分14秒の間に13対 2 のスタートダッシュを展開。瞬く間にリードを20点にまで広げ流れを引き寄せた。

 ベンチには笑顔があふれ、それを受けた選手たちものびのびとした表情でプレー。第 3 クォーター終盤には米本のハーフコートブザービーターまで飛び出し、北陸の勢いはますます加速した。その姿は昨年のインターハイとウインターカップを沸かせたチームを彷彿させるようなもので「やんちゃな奴がいっぱいいるので普段から楽しい雰囲気でバスケをやれています。応援やベンチの雰囲気が出ている 5 人に影響していて、出ていた僕らとしてもそれがありがたかった」と米本も笑みをこぼした。

 中部第一としてはぶっつけ本番の相手が北陸であったことはさすがに荷が重かった。常田健コーチも「今日やってみて初めて分かったんですけど、いきなりのこのレベルだとやっぱりちょっと難しい…。ずっと公式戦をしてきてない中でも (選手たちは) 一生懸命やりたいとは思っているんですけど、思いどおりに進まなかった」と苦しい胸の内を明かしている。

 最終スコアは85対72。北陸が一度もリードを許すことなく、点差以上の勢いある戦いで初戦を制した。

 今大会は新型コロナウイルスの影響で各チームの完成が遅れている中で、例年以上に試合展開へのアジャストメント力が問われる。この試合に関しては北陸が後半にアジャストし、彼ら “らしい” 第 3 クォーターを送ったことが勝敗を分けたポイントとなった。

 今年の北陸には勝ごとに波に乗っていった昨年の大会を経験している選手も多い。初戦で強敵を打ち倒したことで、今年のチームからも『一気にトーナメントを勝ち上がるのではないか?』という期待を持たせるような雰囲気が漂っていた。

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