【現地レポート⑪】同郷の先輩・河村勇輝を目標に。大阪薫英女学院の 1 年生ガード・都野七海が桜花学園に挑戦
2020年12月25日
「前半は自分たちのリズムでできて、点も取れていたと思うのですが、後半に自分たちのシュートが入らなくなり、動きも止まってしまいました」
「SoftBank ウインターカップ2020 令和 2 年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子 3 回戦、桜花学園 (愛知) と対戦した大阪薫英女学院 (大阪) のガードの都野七海選手はこう試合を振り返った。
試合は序盤からオコンクウォ スーザン アマカ選手、朝比奈あずさ選手ら高さを生かした攻撃で桜花学園が先行していく。対する大阪薫英女学院は安田茉耶選手や都野選手らがスピードに乗ったドライブで応戦し、何とか食らいついていったものの、後半にリードを広げられ54-91で敗退。3回戦で姿を消すこととなった。
実に33回の出場を誇る大阪薫英女学院。今年、そのチームの司令塔を務めるのは158センチで 1 年生の都野だ。桜田中学時代には得点力の高いガードとしてジュニアオールスターや全国大会 (全中) などで活躍。その攻撃力を買われて中学卒業後は名門・大阪薫英女学院の門を叩いた。そして高校では 1 年生ながらスターターに抜擢されたのだ。
「全国大会の常連校と対戦して、自分自身成長することできたと思います」とウインターカップを振り返った都野。中でも「周りを動かすのにすごく声をかけていたし、自分が行ける時にはドライブにも行っていて、改めてすごいなと感じました。私もマネしていきたいです」と今大会注目選手の一人である桜花学園の江村優有選手 (160㎝) とのマッチアップには大きな刺激も受けたようだ。
1年生が伝統校の主軸を担うのはプレッシャーもあるだろう。「最初の方はプレッシャーを感じていたけれど、先輩方が声をかけてくださって、先輩方のためにも頑張らないといけないと思いました」と都野はここまでを振り返る。
また、取り組んできたのは、ゲームをコントロールをすることと、点が止まった時に自分のドライブや3ポイントシュートでオフェンスのリズムを作ること。普段は緊張するタイプだが、「自分のやることをやらないといけないので、思い切ってやりました」と、試合では存分に持てる力を発揮した。
1 回戦は11得点、2 回戦では24得点、3 回戦では16得点と 3 試合いずれも 2 ケタ得点をマークし、存在感を放った 1 年生ガード。目標とする選手は同じ山口県出身の河村勇輝選手 (東海大学) で、「パスのセンスやドライブ行ったあとの最後のシュートなど、全部考えてやっているのがすごいと思います」と言う。
かつて河村も 1 年生の時から名門チームのスターターとしてウインターカップに出場し、その名を轟かせた。
「来年もウインターカップに戻ってきて、桜花学園とまた戦えるように。勝ち上がっていけるように頑張って行きたいです」と思い語った都野。彼女の戦いは始まったばかりだ。