熊本県女子
2020年12月8日
熊本県の女子代表校は熊本国府。ウインターカップ予選の決勝では、ジュニアオールスター(ジュニアオールスターとは、2019年まで行われた都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会のこと。今後は2021年1月より中学校部活動、クラブチーム、Bユースチームが登録区分を超えて同じ土俵でU15世代の育成と強化を図るため今年度より第1回Jr.ウインターカップ2020-21として新設された全国大会に移行)出場選手を数多く有し優勝候補に挙げられていた慶誠と対戦した。変化をつけたディフェンス、そしてオフェンスではキャプテンの野中由姫乃と2年生エース、澤田留衣のハイアンドロープレー、佐川真菜と大田美桜による3ポイントシュートなど、内外バランスの取れたバスケットを展開し、2年ぶり11回目のウインターカップ出場を決めた。
ここ数年のウインターカップ熊本県予選でベスト4に入るチームは、熊本国府、慶誠、大津、昨年のウインターカップ出場校の熊本商業といった顔ぶれだが、ウインターカップに出場する学校は毎年異なっている。これはジュニアオールスター出場選手が同じ高校に進学するケースが多く、ある年は慶誠、次は熊本国府、その次の年は熊本商業という傾向があることも関係している。また、熊本も育成年代に対しては計画的な強化を図っているが、他県と同様に身長が高い選手などは県外の高校に進学することが多い。有望な選手に熊本県内の学校に進学してもらうためにも、熊本県高体連の担当者は「もっと良い指導者を増やせるように頑張らんといけんですね」と語る。
熊本だけでなく、今年のウインターカップに出場する九州の9校(女子)のうち6校が公立高校となっているのも興味深い。これは地域柄も関係するが、熊本県もベスト4のチームのうち2チームが公立高校だ。そのためウインターカップに出場するような学校でもバスケ部専用の体育館を保持するところはほとんどないという。さらには昔からの体育館を使用しているチームもあり、現在のバスケットの正式なコートサイズではない施設で普段の練習をしている学校もある。熊本県高体連の担当者は「そういう環境で全国大会に出るチームはあまりないと思うので、1つでも多く勝ってほしいです」と、熊本県勢の雑草魂に期待している。
ウインターカップに出場する熊本国府は、2年前に出場した時は初戦で高岡第一(富山)を下すも、2回戦で桜花学園(愛知)に敗れている。今年は初戦で5年連続の出場を果たす浜松開誠館(静岡)と対戦。熊本県の女子代表はウインターカップで上位に食い込めない状況が続いているが、今年の熊本国府は3年生から1年生までがチーム一丸となって戦うチームだ。ウインターカップ予選で見せた外と中からのバランスの良いオフェンスとハードなディフェンスで熊本国府が1つでも多く勝ち上がる姿に期待したい。