ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


チケットの購入

AREA COLUMN 各都道府県紹介コラム

宮城県男子

2020年12月8日

宮城県男子は、東北ブロック新人大会で優勝した仙台大学附属明成と、県予選を勝ち上がった東北学院の2校がウインターカップ出場権を手にした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、例にもれず宮城県も今年は大会が軒並み中止に。高校の公式戦で今年度初めて開催されたのが、8月中旬のウインターカップ県予選 一次大会となった。男子はシードチームを除いた66校が出場。8つのブロックに分かれてトーナメント戦が行われ、東北生活文化大学、宮城工業、仙台第二、尚絅学院、白石工業、石巻、仙台育英学園、仙台商業の8チームが勝ち上がって10月中旬のウインターカップ県予選 本大会へとつなげた。

その本大会には、一次大会を勝ち上がった8チームとシード校8チームが参戦。このうち東北ブロック新人大会で優勝した仙台大学附属明成にはすでにウインターカップ出場権が与えられており、同校を除く15チームでもう一枚の全国への切符が争われた。まず3つのブロックに分かれてトーナメント戦が行われ、東北学院(県新人大会2位)、東北(同3位)、聖和学園(同ベスト8)の3チームが決勝リーグへ進出。なお、昨年ウインターカップに初出場して県新人大会4位の宮城県利府は、聖和学園に71-98で敗退して2年連続の全国出場とはならなかった。

決勝リーグは3チームによる総当たり戦。東北学院と聖和学園の試合は、前半を終えて聖和学園が3点リードしていたが、後半で巻き返した東北学院が84-75で山場の一戦を制した。敗れた聖和学園は続く東北戦に90-86で勝利して望みをつないだものの、東北学院が東北に130-88で大勝。2連勝で決勝リーグを制し、見事10年ぶり2回目のウインターカップ出場を決めた。

その3日後、仙台大学附属明成と東北学院による優勝決定戦が行われた。仙台大学附属明成は喜多陸登、一戸啓吾、越田大翔、浅原紳介、山内シャリフ和哉という3年生5人をスタメンにオーダーしたが、久々の公式戦とあって動きが硬く、シュートがことごとくリングに弾かれる。その間、東北学院は遠藤昌輝の3本の3ポイントシュートなどで先手を打ち、開始3分で11-2とリードに成功した。だが、仙台大学附属明成もこのまま黙ってはいない。山内ジャヘル琉人のダンクシュートや越田のバスケットカウントで息を吹き返し、この試合はベンチ出場となった山﨑一渉や山崎紀人ら2年生も積極的にゴールへアタック。さらに春からケガで長く離脱していた菅野ブルースも、復帰して3ポイントシュートを決めるなどチームを勢い付ける。結局、1クォーターの残り2分半の間に17-0のランで一気に逆転。29-19で1クォーターを終えると、その後も仙台大学附属明成がリードを保ったまま試合を優位に進めた。ベンチの3年生にも多くのプレータイムが与えられる中、109-70で試合終了。9年連続14回目の優勝で、ウインターカップへと弾みを付けた。

仙台大学附属明成は、199cmの山﨑(一)や197cmの菅野をはじめ、将来性豊かな長身選手を多数擁する大型チームで、全国でも活躍が期待される注目校。この試合は序盤こそ試合勘を取り戻すのに手間取っていたが、試合が進むに連れ本領を発揮し、各々がオールラウンドなプレーで得点を重ねた。ウインターカップでも躍動感あふれるダイナミックなプレーを見せるはずだ。
一方、準優勝となった東北学院は、インターハイ県予選が中止となったこの夏、大学受験などを見据えて3年生11名が引退を決断。残った3年生と1、2年生が「引退した3年生の分まで」という思いを今大会にぶつけ、また引退した3年生たちは全国出場の懸かった試合を皆で集まってLIVE配信を見ながら応援したという。チーム一丸となってつかみ取ったウインターカップは、10年ぶり2回目の出場。前回の2010年大会のときにはベスト16まで勝ち上がっただけに、今年の目標は「全国ベスト8進出」だ。攻防の要となるのは、3年生としてチームを引っ張る遠藤と齋達也。また、スターターの2年生トリオ、女川渉、佐々木琉、木村祐誠の活躍もチーム浮沈のカギを握るだろう。

仙台大学附属明成も東北学院も、東北らしい“粘り”をウインターカップの大きな舞台でも披露したいところだ。

NOW LOADING

TOP