ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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群馬県女子

2020年12月8日

群馬県では今年度中のトーナメント大会が無観客試合となることが決定した。ただし、各学校を会場に分散して開催しているリーグ戦については、人数のコントロールをすることが容易のため、保護者の観戦を許可することができている(ベスト8決定戦の男女16試合のみ、録画での映像配信を実施)。

そんな中、ウインターカップ2次県予選が10月から行われ、女子は3年生が主体の市立前橋が全試合100点ゲームで、昨年のリベンジを果たして2年ぶり18回目の優勝を決めた。

写真提供:群馬県バスケットボール協会

市立前橋は初戦、136-56で高崎東を圧倒すると、その勢いのまま太田女子に126-74、桐生女子に104-66、そして決勝では関東新人大会ベスト4の桐生商業を102-72で撃破。他を寄せ付けない戦いぶりでウインターカップ行きを決めている。

インターハイ県予選の代替大会として行われたウインターカップ1次県予選からは、前橋育英、新島学園、関東学園大学附属、清明、高崎東、共愛、高崎女子、高崎健康福祉大学高崎が2次県予選に勝ち進んで、新人県大会ベスト8(市立前橋、桐生商業、市立太田、桐生女子、高崎商業、高崎経済大学附属、常磐、太田女子)とともに戦った。しかし、ベスト4への壁は厚く、新島学園が新人県大会で6位だった高崎経済大学附属を68-54で退けた以外は順当に駒を進めている。
また、市立太田はメンバーに175センチ以上を4人そろえる大型チームで挑んだが、桐生商業に準決勝で77-68の僅差で敗れ、惜しくも決勝進出を逃した。

決勝は市立前橋対桐生商業で、新人県大会決勝リーグと同一カード。そのときは市立前橋が81-70で桐生商業を下しているが、今回も接戦が予想された。第1クォーターは開始4分で11-3と序盤から市立前橋が確率の高いシュートを決めてペースをつかんだが、その後は桐生商業が何とかつないで22-17。しかし、桐生商業はエースの堀越梨々夏がボールを持つ時間が長く、苦しいシュートが多くなると、市立前橋は花岡莉らがスピードのあるトランジションと速いパスで展開して点差を着実に広げる。そして、第3クォーター終盤からエンジン全開で一気に走り切り、前半は45-39と6点差だった試合を後半は57-33と桐生商業を圧倒。終わってみれば102-72の30点差で市立前橋が完勝した。終始、市立前橋の強さが際立った決勝となった。

優勝した市立前橋は関口もえをはじめ、山藤未由、松井花凛、萩原さや、花岡らが均等に得点を重ね、バランスの良さを見せ付けた。また、相手のタフショットからリバウンドを奪ってからの速い展開で自ペースに持ち込み、勝利を引き寄せたことは見事だった。市立前橋の4試合における得点力は、他を圧倒する走力に裏打ちされたものだったに違いない。フリースローやアシストの多さも勝因の1つに挙げられる。加えて、選手のボール持っている時間が短く、“球離れ”の良いプレーを次々と繰り出すことで桐生商業のディフェンスを翻弄したことも大きい。
一方、敗れた桐生商業は2年の堀越が孤軍奮闘の32得点を稼いだが、同じく2年の内山優美が故障で思うようにプレーできなかったことは痛手。主力が下級生のため、一度劣勢に回るとそれを一気に挽回できるまでには至らなかった。また、ベスト4の桐生女子は林望愛(2年、175センチ)、市立太田も川岸柚(2年、176センチ)らなど、下級生にサイズのある選手が多く、今後も熾烈な上位争いが繰り広げられそうである。

女子は1月の新人県大会決勝リーグと11月のウインターカップ2次県予選ベスト4は同じチーム。1月の時点では市立前橋と桐生商業、そして市太田が10点差前後で力が拮抗した3チームだったが、コロナ禍の10か月間で市立前橋が頭一つ抜け出した格好となった。

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