愛知県女子
2020年12月11日
愛知の女子はミニバスケットボール、中学、高校、大学の各カテゴリーで全国優勝を数多く果たしている。バスケットボール王国の名をほしいままにしているが、その中で中心的存在は桜花学園。チームを指揮する井上眞一コーチは全国大会優勝67回を誇る名将だ。その桜花学園は2月の東海ブロック新人に優勝し、東海ブロック推薦で本大会へ出場する。
今年度のチームは大黒柱の江村優有、オコンクウォ スーザン アマカを中心にインサイドとアウトサイドとバランスのいい攻撃が特徴だ。加えて、井上コーチの指導の下、日本一のチームにも関わらず基本を大事にすることをモットーにしており、全国のチームの手本となると言えるだろう。今大会では2年連続25回目の優勝を目指す。
県代表を決めるウインターカップ予選は毎年1次2次に分け、9~11月に「ALL AICHI」(U18 ALL AICHI CHAMPIONSHIP)として実施されてきた。しかし、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で代表決定トーナメント(男女各15校で実施)と1次・2次トーナメントと分割して行われることになった。ただこれにより、どの試合も実力が拮抗した内容となり、最後まで鍾愛の行方が分からない競った試合が数多く見られた。
ALL AICHI代表決定トーナメントのベスト4に勝ち上がったのは安城学園、星城、名古屋経済大高蔵、そして名古屋女子大学と全国大会に出場経験を持つ強豪チームがそろった。そして、準決勝を勝ち上がったのが安城学園と名古屋女子大学。決定戦では安城学園が出だしから確実に得点を重ね、前半を41-29とリードを奪った。第3クォーターでは名古屋女子大学が21-17と反撃を見せるが、安城学園が安定した試合運びで逃げ切り、4年連続8回目の出場を決めた。
安城学園は厳しいプレスからの速攻と3ポイントシュートを得意とするチームだ。平均身長が高いチームで、リバウンドが取れるとかなり強力な戦力となる。過去には準優勝した実績があるだけに、今年もそれを超えるべくして、ウインターカップのコートに立つ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でほとんどの学校が5月まで休校となり、部活動が再開したのは6月。高校総体は予選から中止となり、8月に代替大会を実施したものの、受験を控える3年生の大半が夏に引退して、ウインターカップ予選を1、2年生で出場するチームもあった。
大会では1日に1試合を基本に各会場最大4試合実施、つまりダブルヘッダーは行わない。
高体連、教育委員会の協力で学校も試合会場に提供してもらい、消毒の徹底と不要な接触を避けるため試合ごとに選手完全入替えの形で会場を利用することができた。また日本バスケットボール協会より提供された検温表を大会2週間前より記録し提出することを徹底している。無観客で試合をする代わりに各チーム動画撮影を許可し、動画共有サービスのYouTubeなどを使いチーム内で共有していた。
このような厳しい状況を乗り越えて愛知から出場する桜花学園と安城学園には上位進出を期待したい。ともにウインターカップの常連校であり、愛知の強さを発揮してくれるだろう。1回戦、桜花学園は松徳学院(島根)、安城学園は新潟産業大学附属(新潟)との対戦が決まった。ここでの対戦をしっかりと勝ち切り、上位進出への弾みをつけたいところだ。愛知のライバルたちと日ごろから研鑽した経験を糧に、今大会でも両校が活躍できることを望んでいる。