京都府女子
2020年12月16日
京都は3月末より6月上旬まで部活動ができない期間があった。その分、自主練習やリモートでトレーニングをおこなうチームが多く、コロナ期間はほとんどのチームが体育館で練習ができなかった。
そんな中、3年生の区切りの大会として、7月末にインターハイ予選の代替大会「京都府高等学校バスケットボール交流会」を実施した。全域では実施できなかったが、北部南部地区で別々に計画。インターハイ中止の悔しさはあったが、最後に公式戦に出場し、気持ちよく引退を迎えた生徒も多かった。しかし、7月末に警戒レベルが上がったため、南部地区でブロック決勝が中止となり、コロナ渦で大会を運営していくことの難しさを実感する大会となった。
その後行われたウインターカップ京都府予選は基本的には無観客試合とし、選手の安全を第一に開催された。スポーツ庁やJBA発出の文書を参考にガイドラインを作成し、各チームで大会2週間前から検温、体調を健康チェックシートに記録するなど徹底した管理を行い、試合当日にリスクが軽減できるように配慮。大会当日は、入館時の検温、マスクの着用を徹底し、試合間を長めに取るなど、感染リスクを極力減らすことを心がけた。また、ソーシャルディスタンスを保つことや大声による応援の禁止など、大会役員から注意を呼びかけた。
決勝戦、決勝リーグでは、会場となった島津アリーナの観客収容数が約4000人と大きかったため、「誓約書」の提出と入館時の体温チェックをお願いしたうえで、保護者及び関係者のみ2F観覧席への入場を認めた。さらに、フロアのある1階への往来は禁止とし、大声での応援禁止、間隔を空けての着席など参加者に感染予防を徹底していただきながら大会を実施した。
そして、昨年のウインターカップでベスト4に初めて進出した京都精華学園が、京都府予選でも他を寄せ付けない圧倒的な力で5年連続10回目のウインターカップ出場を決めている。
写真提供:(C)BB-PHOTO、京都府バスケットボール協会
京都精華学園は、近畿ブロック新人大会では接戦の末惜しくも大阪薫英女学院(大阪)に敗れ準優勝となったが、その存在感は目を見張るものがある。昨年開催された「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019」のメンバーに選ばれたオールラウンダー荻田美、リバウンドとインサイドのシュートを得意とする柴田柚葉、また留学生のトラセオ セトゥ、イソジェ ウチェの存在感も大きい。京都府予選では、準優勝した紫野高校を圧倒し終始有利な展開を見せた。
2位の紫野は、5年ぶり4回目の優勝を目指して臨んだ大会であったが、京都精華学園の前に善戦するも、あと一歩及ばなかった。高さがない分、鍛え上げられたディフェンス力、そして速い展開で得点を量産するスタイルを持ち味としている。
ベスト4には、京都両洋、福知山成美が勝ち上がってきた。京都両洋は、ここ最近力をつけてきたチームである。オールコートゾーンプレスなどトランディションの速い展開を得意とする。福知山高校は、留学生を擁し、高さとアウトサイドの得点力でバランスのとれたチームである。2チームとも今後、優勝争いに食い込む力を十分に持っている。
京都精華学園は昨年の大会注目選手であった高橋未来(現Wリーグ/デンソーアイリス所属)を中心に全国ベスト4と輝かしい結果を残しており、今年度のチームは大きな柱が抜けたとも思われた。しかし、全国ベスト4のスターティングメンバーが残っており、今大会でも上位進出が期待できる。昨年のスタメンである荻田、経験豊富な柴田、高さのあるセトゥ、ウチェらが主力を務める。今年のチームは高さがある分、力強いリバウンドからファストブレイクも魅力だ。