ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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埼玉県女子

2020年12月22日

男子同様に例年の16校から48校に出場枠を拡大して行われた女子の埼玉県予選。当然のことながら出場校が増えれば感染拡大のリスクが高まる中で各チームの体調管理、コートや備品の消毒など、徹底したリスク回避のもと、大会は進んでいった。
無観客開催の厳しい予選を勝ち抜いたのは正智深谷。決勝では過去5年で3度のウインターカップ出場の実績がある埼玉栄を82-58で下し、チーム史上初めて本戦への切符をつかみ取った。

正智深谷は2015年の決勝進出以降、過去4年は準決勝までは勝ち上がれるものの、なかなかその先に進むことができなかった。埼玉県栄、昌平、山村学園らが立ちはだかる県内上位陣の壁は厚く、昨年の昌平戦(69-74)を除くと全て2桁以上の大差で敗れている。

しかし、今年は昨年敗れた昌平に準決勝で逆に2ケタの差(81-58)を付けてリベンジ、決勝では前述した埼玉栄を大差で下し、ベスト4のジンクスを破ってみせた。

ベスト4に至るまでに古豪・山村学園を破った久喜が埼玉栄に挑んだカードは、序盤から久喜がハードな攻防で昨年女王を苦しめ、あわや決勝進出という好勝負を演じた。最終的には埼玉栄が貫禄の勝利(82-75)となったが、上位陣に割って入る力を見せ付けた久喜の存在は県予選を大いに沸かせたと言える。

迎えた決勝、試合序盤はどちらのチームにも流れが傾かないまま一進一退の攻防が続き、第1クォーターで13対12、第2クォーターで15対13と正智深谷がわずか3点のリードで前半を折り返す。接戦の中でもアグレッシブにオフェンス・リバウンドを狙い、得点面では畠山いずみが果敢なドライブで埼玉栄の包囲網を突破し、前半だけで10得点。これらの要素が正智深谷のリードを生み出したと言える。
後半も正智深谷が勢いあるゲーム運びで最大7点のリードを生み出すが、埼玉栄も留学生センターのカマラ・アセトゥがゴール下できっちりとつなぎ、一時同点にまで追い付いた。しかし、ここで動じなかった正智深谷は40対40の場面から11対1のランを展開し、第3クォーター終了直後に加瀬桜子が放ったロングシュートがブザービートと共にリングへ。点差を2ケタとして最終クォーターに突入した。
最終クォーターは正智深谷の独壇場。この10分間で5本の3ポイントシュートを含む31対17で埼玉栄を圧倒。キャプテンの網野碧波が気迫のこもったプレーで全14得点を後半に集中し、前半を引っ張った畠山と2年生の加瀬も同じく14得点を挙げた。今年のチームの強みである内外のバランスよくゲームを組み立てていくスタイルを体現できたことも、本戦出場決定と同時にチームとしては大きな収穫だった。

本戦の組み合わせもすでに発表されているが、初出場となる正智深谷の初戦の相手は、今年で5年連続30回目の出場を誇る近畿地区の強豪校、奈良文化だ。初出場とあってウインターカップに雰囲気に慣れるためにも、経験豊富な奈良文化に胸を借りるつもりで戦っていきたいところ。全国初勝利、そしてチームとして目標に掲げる3回戦進出を目指す。男子の埼玉代表も正智深谷ということで、今年は男女アベック出場である部分も一つの注目ポイントだ。

全国的に見れば決して大柄ではない正智深谷だが、県予選で見せたようなアグレッシブなプレーで臆することなく暴れ回ってもらいたい。

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