茨城県女子
2020年12月23日
近年の茨城女子勢は土浦日本大学、明秀学園日立、竜ヶ崎第二の3強に鹿島、下妻第一、水戸第二が絡む混戦が続いていた。昨年はインターハイ予選、ウインターカップ予選ともに明秀学園日立が決勝で対戦チームを圧倒する力を見せてきた。
そんな中で、今年の本命は土浦日大だ。昨年のインターハイ予選準決勝で明秀学園日立にわずか5点差(70対75)で敗れ、ウインターカップ予選決勝でも72対89で敗北。リベンジには至らなかった。その悔しさも胸に秘めた今年のチームは新チームの初陣となった新人大会で明秀学園日立を83対52で圧倒すると、つくば秀英、竜ヶ崎第二に対しても大きな点差を開く好ゲームで優勝。
スタメン最高身長は173cmの染谷璃央と、サイズこそないがエースガードの加藤木陽を起点にインサイドもアウトサイドも満遍なく得点できる部分は今年のチームの強みとなる。
ウインターカップ予選決勝でも初戦からエンジン全開で、2回戦には水戸農業を相手に大会最多の143点を稼ぎ出す圧巻の得点力を披露。決勝でも準決勝では取手第二をワンゴール差の接戦制して意気の揚がる竜ヶ崎第二を40点差(102対62)で下し、冬への切符をつかんだ。
決勝では出だしから両チームとも積極的なディフェンスを見せる。オフェンスがそれを突破して点を入れ合うが、竜ヶ崎第二はプレスディフェンスで勝機を見いだしたいところを土浦日本大に突破されてしまい、やがて点差が開き始める。1クォーターを31-19リードした土浦日本大は2クォーターに入っても流れは変わらず、自力ら勝る土浦日本大がディフェンスで竜ヶ崎第二を8点に抑え、さらにリードを広げていく。46-27で迎えた後半、竜ヶ崎第二も3ポイントシュートやゴールアタックで得点を重ねるものの、土浦日本大の攻撃を抑えきれず、点差を詰めるには至らない。結局、最後まで力を発揮し続けた土浦日本大が2年ぶり14回目の優勝となった。
しかし、男子同様に土浦日大は本戦に出場することは叶わなかった。茨城女子の出場枠は1つ。つまり、今年に限っては本戦に出場するチームはない。それでも、土浦日大の選手たちも奮闘、彼女らが優勝する過程で敗れていったチームの健闘までもが消えてしまうわけではない。茨城県内全ての女子チームの思いは大会を戦う59の女子チームに託された。