和歌山県女子
2020年12月8日
和歌山県の女子代表としてウインターカップに出場する和歌山信愛は、15年連続22回目のウインターカップ出場となる。
和歌山県内では圧倒的な存在で、今回のウインターカップ予選の決勝も106-30とトリプルスコアで圧勝した。県内には敵がいない状況だが、近畿ブロックで大阪の大阪薫英女学院などをライバルとして競い合っている。
地元出身選手に加えて大阪からも選手を集めているが、進学校であるため「勉強あってこそのスポーツ」という学業優先の姿勢。体育館も専用ではなく、バスケに打ち込む環境としては100%ではないかもしれないが、文武両道で高いレベルに身を置きたいという生徒が集まってくる。短い時間で集中して部活動をやり、すぐ切り替えて勉強をする、というのが和歌山信愛のスタイルだ。
ウインターカップでの最高成績はベスト16。選手たちはそれを超えるベスト8進出を目標に掲げている。ただし、ここ3年間は初戦敗退が続いている状況だ。その前の2016年大会では、シード権を得て2回戦で土浦日本大学を破ってベスト16に進出。しかし、ここで赤穂ひまわり、星杏璃とWリーグに進むエリート選手を擁する昭和学院に65-81で敗れている。全国区の強豪を相手にしながらも、粘り強いチームバスケットで前半を1点リードで折り返したが、日本代表選手の赤穂による個人技を後半に抑えられず、第4クォーターに足が止まってしまった。
この時のチームも最高身長が175cmと小さいチームだったが、チーム全体で集中力を保った粘り強いディフェンス、スピードに乗ったオフェンスを駆使して、高さと強さを兼ね備えた昭和学院を大いに苦しめた。この時のチームを超えるのはそう簡単ではないが、コロナ禍で対外試合が思うようにできなかった分、チーム内の成熟は進んだはず。
現実的には直近の3大会で果たせていない初戦突破がまずは目標となるが、チームの地力は高い。また、小さいからと言ってただひたすら走る昔ながらの堅守速攻にこだわるのではなく、アスレティックトレーナーをつけてフィジカル強化にも励んできた。速攻はもちろん大事だが、ハーフコートオフェンスでも効率の良いバスケットができるよう、技術と身体、そしてチームワークを高めてきたと、チームを指導して19年目になる宮本浩次コーチは語る。
初戦で当たる佐賀北も、1回戦突破を目標とするチーム。和歌山信愛としては文武両道で培った集中力をここ一番で生かし、ここで1勝を挙げて勢いに乗りたい。