ウインターカップ2020 第73回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

【現地レポート⑦】この経験を力に変えるまで

2020年12月24日

「バスケットは経験のスポーツである」。しばしば言われることである。しかし経験がすべてではないというのもまた、バスケットボールである。

「SoftBank ウインターカップ2020 令和2年度 第73回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子2回戦。第2シードの枠に入った慶進(山口)だったが、精華女子(福岡)との1回戦を制した東京成徳大学(東京)に敗れた。
前回大会に続く初戦敗退だが、明らかに違うところもある。2年ぶりのウインターカップとなった昨年は、初戦で敗れたとはいえ、経験という貴重な財産を得た。今大会のスタメン5人が、実は前回大会でもスタメンを務めていたのだ。チームを率いる村谷勉コーチもそれを強みに捉えていた。その経験値を生かして、目標であるベスト8まで勝ち上がろうと考えたわけである。しかしその思いは叶わなかった。

「前半は緊張して自分のプレーができなかったけど、昨年と比べたら緊張の度合いは小さかったし、昨年は全然点が取れなくて、ゴール下のシュートもたくさん外したけど、今年は1対1もしっかりできたし、シュートも決められたところはよかったと思います」
そう振り返るのは慶進の大脇晴である。チームトップの26得点・13リバウンド・8アシストの2年生エースは、フィジカルに勝る東京成徳大学のディフェンスに何度もコートに倒されながら、それでも最後までゴールに向かい続けた。
「とにかく3年生が最後なので、たとえ倒れても強気で攻めようと思っていました」
同校に入学して以来、ずっと一緒に戦ってきた3年生の最後の大会。新型コロナウィルスの影響でインターハイが中止となり、彼女たちと一緒にプレーできる全国大会という意味では「最初で最後」である。だからもっと一緒にプレーしたい。1日でも長く一緒にいたい。その思いが大脇の積極性を生んだというわけだ。

来年は名実ともに大脇が慶進の大黒柱になる。その自覚は彼女自身にもある。
「来年は簡単に自分にボールが入らなかったり、ガード陣が攻められなかったりするかもしれないけど、練習からしっかり声を出して、みんなを支えていきたい」
今年の3年生はよく声を出す代で、それでも練習中に声がなくなると、自分たちを含めた全員を走らせる厳しい一面もあったという。
「村谷コーチが練習に出られなかったときでも練習を一生懸命やっていました。そういうところは見習いたいと思います」

バスケットにおいて経験は確かに武器になる。しかし経験だけで勝てるわけではない。東京成徳大学もまた、スタメン5人のうち3人が昨年からスタメンを務めているが、残りの2人もしっかり成長している。つまり新しい戦力の台頭も勝つためには必要な要素なのである。
2年連続でウインターカップを経験し、着実にステップアップしている大脇が来年の中心選手になることは間違いない。彼女はもちろんのこと、新しい戦力の台頭、成長にも期待したい。

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